宿主細胞受容体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 17:12 UTC 版)
「新型コロナウイルス感染症 (2019年)」の記事における「宿主細胞受容体」の解説
SARSコロナウイルス2は、SARSコロナウイルスと同じく宿主細胞のアンジオテンシン変換酵素II(ACE2)受容体に結合して感染するとみられている。ヒトACE2受容体とSARSコロナウイルス2のスパイクタンパク質の受容体結合ドメインとが、相互作用する様子をシミュレーションした動画が公開されている。ACE2受容体は気管支、肺、心臓、腎臓、消化器などに発現している。ACE2受容体はHuman Protein Atlas(英語版)によれば腎臓や腸に、また中国での研究によれば舌の上皮細胞に多く発現している。 通常、ACE2受容体は刺激されるとアンジオテンシンIIを分解することで血圧上昇のためのレニン・アンジオテンシン系 (RA系) を阻害するが、このRA系阻害作用は臓器の保護に重要な可能性がある。SARSコロナウイルスではマウスでの動物実験においてACE2受容体の発現を減少させるとされ、新型コロナウイルス感染症の患者の血漿においてもアンジオテンシンIIが高いレベルにあるという情報がある。そのため、新型コロナウイルス感染症の治療においてRA系の阻害が提案されている。
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