複合修飾語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 19:34 UTC 版)
別の単語の意味を同時に修飾する複数の単語のかたまりを複合修飾語という。副詞+形容詞の組み合わせ以外の複合修飾語が語句の前にあるときには、誤解を防ぐために、American-football player、little-celebrated paintingsのように複合修飾語がハイフンでつながれることがある。ハイフンがないと、「アメフトの選手」か「アメリカ人フットボール選手」のどちらの意味なのか、また「有名な絵画」が小さいという意味かどうか、混同する可能性がある。ice-cream-flavored candyのように、3つ以上の単語から複合修飾語を作ることもでき、形容詞句だけでなく副詞句も作れる (spine-tinglingly frightening)。しかし、複合語がよく知られている場合は、通常ハイフンはつかない。例えばhigh school studentsはhigh-school studentsより好ましいと少なくともひとつのスタイルガイドに書かれている。この文は形の上では曖昧だが(「高校生」と「麻薬を常用している生徒」)、別の意味を伝えたいときには通常違う形の文になる。名詞+名詞の複合修飾語の場合も混同する恐れがないときは、grade point averageやdepartment store managerのようにハイフンなしで書く。 修飾される語句のうしろに複合形容詞があるとき、通常ハイフンは使用されない。例えば"that gentleman is well-respected"でなく"that gentleman is well respected"と書く。これとは逆に、be動詞やその変化形のうしろに複合形容詞がある場合に、ハイフンを推奨する権威もいる。 ほとんどのスタイルガイドには、副詞+形容詞の修飾語で副詞が-lyで終わるときはハイフンを使うべきではない、と書いてある。例えばwholly owned subsidiaryやquickly moving vehicleのように書くのは、副詞が形容詞を修飾しているのが明確で、"quickly"は"vehicle"を修飾できないからである。しかし、副詞が形容詞としても働くときは、意味を明確にするためにハイフンを使用してもよい、あるいは使用すべきとするスタイルガイドもある。例えば、more-important reasons("より重要な理由")という用語は、moreが形容詞であるmore important reasons("追加の重要な理由")と区別される。(ただし、"a more-important reason"のハイフンは"a more important reason"と区別するのに必要ではない。両者の意味は同じため。)質量名詞の例は以下のとおりである: more-beautiful sceneryはmore beautiful sceneryと区別される。 28-year-old woman、twenty-eight-year-old woman、320-foot wingspanのように、数の表現に数字を使うか単語を使うかにかかわらず、(特に度量衡の)形容詞句は、数や言葉をハイフンでつないで作る。省略された時間単位にも通常同じことが言える。two-thirds majorityやone-eighth portionなどのように形容詞として使われている分数を数字に略さずに書くときにもハイフンを使う(名詞として使われる場合はこの限りではない)。しかし、国際単位系の単位の(名称ではなく)記号を使うときは、国際度量衡局とアメリカ国立標準技術研究所の両方がハイフンなしを推奨する(例: a 25 kg sphere)。ただし単位が名称で書かれるときは当てはまらず、a 25-kilogram sphere、a roll of 35-millimeter filmのように書く。 構成要素のどちらかがすでにハイフンでつながれているか、スペースを含んでいる場合に、high-priority–high-pressure tasks(優先度とプレッシャーが高い仕事)のように、ハイフンをつないで複合語を作る代わりにenダッシュ ( – ) を使うことがある。範囲 (pp.312–14)、関係 (blood–brain barrier) および"to"の感覚 (Boston–Washington race) を伝えるときは、enダッシュはハイフンより適している。
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