第2巻: ドールズハウス
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「サンドマン (ヴァーティゴ)」の記事における「第2巻: ドールズハウス」の解説
収録号の大部分は長編 The Doll's House を構成している。プロローグとなる第9号 Tales in the Sand、および第13号 Men of Good Fortune は過去の時代を舞台とした短編である。中世イングランドを舞台とする第13号の作画は、歴史ファンであるマイケル・ズリ(英語版)によって行われた。 正ペンシラーのドリンゲンバーグが締め切りを破りがちだったため、第12号はクリス・バチャロ(英語版)が代役を務めた。バチャロはこれがメジャーデビュー作であり、後にデスのスピンオフシリーズを描いて脚光を浴びた。 Tales in the Sand アフリカの砂漠の只中、成人の儀式に臨んだ少年は部族の男に語り継がれてきた物語を聞く。 はるか昔、英明な女王ナダは旅の若者に恋をし、夢の国まで追っていった。若者に身を変えていたドリームもまた、自らのために世界の垣根を越えて来たナダに心を奪われる。しかしナダは相手の正体に気づくと、禁忌を恐れて自らの命を絶つ。プライドを傷つけられたドリームは彼女を地獄に落とす。 The Doll's House ドリームの弟/妹である両性具有のディザイアは、双子の妹ディスペアに「夢の渦」が発生したことを伝える。二人はドリームへの陰謀を企んでおり、ナダの一件は失敗した試みの一つだった。 ドリーミングでは、ドリームが臣下から4体の夢が逃亡したという報告を聞いていた。その様子を地上人ローズ・ウォーカーは夢に見る。ローズの祖母ユニティは、ドリームの幽閉に影響されて人生の大半を眠りの中で過ごした女性だった。ドリームはローズが「夢の渦」であると気づき、逃亡した夢たちが彼女に引き寄せられると予測して監視下に置く。 ローズは行方不明の弟ジェドを探すためアメリカに渡る。滞在した下宿には個性的な住民がそろっていた。その中の一人、「アマチュアの遍歴騎士」を自称するギルバートはジェドの捜索に同行する。 ジェドの精神には脱走した悪夢であるブルートとグロブが住みついていた。彼らは死者ヘクター・ホールの魂にサンドマンの名を与え、自分が子供の夢を守るヒーローだと信じ込ませて利用していた。その妻リタ・ホールもまた、身重のまま何年も夫とともに夢の中で暮らしていた。ドリームはローズを媒介としてジェドの精神に侵入し、逃亡者を罰するとともにヘクターの幽霊を消滅させる。そしてリタに対し、胎内の子をいずれ召し上げると宣言する。 ジェドの行方を追っていたローズとギルバートは、投宿したホテルで連続殺人者が開催していたコンベンションに出会う。逃亡した悪夢の1体、コリント人は彼らの名誉ゲストだった。ドリームはローズの危機を救い、コリント人を破壊するとともに、連続殺人者たちに彼らがどれほど卑俗な存在かを思い知らせる。その過程でジェドも救い出される。 下宿に戻ったローズが眠りにつくと、「夢の渦」の活動が本格化し、彼女を中心として住人の夢が混じり合い始める。ドリームは夢の領域を守るためローズは死ななければならないと告げる。ギルバートは4体目の夢「水夫の楽園」の正体を現して抗弁するが無駄に終わる。しかしユニティが孫娘に代わって渦を身に宿し、そのまま自然死を迎えて渦を消滅させる。 事態が沈静化した後で、ドリームはディザイアを詰問する。その昔、眠りの中にあったユニティを妊娠させたのはディザイアであった。すなわちローズはドリームの親族に当たり、その血を流していれば掟によってドリーム自身が破滅するはずだった。人間をゲームの手駒とみなすディザイアに対し、ドリームは警告を与える。彼らエンドレスこそが、人間の意識によって操られる人形なのだと。 ローズの隣人として登場した夫婦の一人、バービーは第5巻の主人公となる。リタの子は第9巻で重要な役を果たす。 Men of Good Fortune 1389年のイングランドが物語の発端となる。デスによって夢の国から連れ出されたドリームはパブに入り、死すべき運命の人間たちの会話に耳を傾ける。客の一人ホブ・ガドリングは飲み仲間に対し、自分は永遠に死ぬつもりがないと言い放つ。興をそそられたドリームはホブの願いを叶え、それ以降100年ごとに同じパブで落ち合ってグラスを交わす約束をする。
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