科学史・科学哲学とは? わかりやすく解説

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科学史・科学哲学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 01:45 UTC 版)

エルンスト・マッハ」の記事における「科学史・科学哲学」の解説

科学史分野では『力学発達』(1883年)、『熱学の諸原理』(1896年)、『物理光学の諸原理』(1921年)が科学史三部作呼ばれる。 『力学発達1883年では、当時物理学界を支配していた力学的自然観批判したニュートンによる絶対時間絶対空間などの基本概念には、形而上学的な要素入り込んでいるとして批判した。この考え方アインシュタイン大きな影響与え特殊相対性理論構築への道を開いた。そしてマッハ原理提唱した。このマッハ原理は、物体慣性力は、全宇宙に存在する他の物質との相互作用によって生じる、とするものである。この原理一般相対性理論構築貢献することになったマッハは「皆さん、はたしてこの世に《絶対》などというのはあるのでしょうか?」と指摘したことがある。なお、マッハ自身相対論に対しては、生涯否定的な立場をとった。 マッハは、ニュートンが『自然哲学の数学的諸原理』(プリンキピア)で主張して後に、哲学者科学者らに用いられるようになった絶対時間」「絶対空間」という概念は、人間感覚したこともないものを記述にあらかじめ持ち込んでしまっている、形而上的な概念だとして否定した。また同様の理由で、ニュートンプリンキピア持ち込んだ「力」という概念問題点指摘しニュートン力学およびその継承を「力学的物理学」と呼びそのような物理学ではなく「現象物理学」あるいは「物理学現象学」を構築するべきだ、とした。マッハこうした表現は、フッサールの現象学共通する点もあるが、フッサール自身マッハ考え志向性概念欠けていることを批判している。また同様にマッハは、形而上学的概念排するべきだという観点から、原子論的世界観や「エネルギー保存則」という観念についても批判した。しかし前述のように、マッハのこういった姿勢アインシュタイン大きな影響与えたとはいえマッハ自身相対論受け入れず一方で形而上学的概念である」という批判は、それが当たっていたとしても、物理学欠陥具体的に何ら指摘できていないことも事実である。 認識論分野では、『感覚の分析』(1886年)と 『認識誤謬』(1905年)が代表的著作である。 マッハ認識論核心部は現在では「要素一元論」と呼ばれることがあるヨーロッパで発達した近代哲学及び近代科学は、主-客二元論物心二元論などのパラダイム中にある。マッハはそれの問題点指摘し直接的経験へと立ち戻り、そこから再度知識構築しなおすべきだとした。つまり我々の「世界」は、もともと物的でも心的でもない中立的な感覚的要素(たとえば、色彩、音、感触等々)から成り立っているのであって、我々が「物体」呼んだり「自我」と呼んでいるのは、それらの感覚的要素ある程度安定した関係で立ち現れること、そういったことの複合を、そういった言葉呼んでいるにすぎず、「物体」や「自我」などというのは本当何ら実体」などではない、と指摘し因果関係というのも感覚的要素現象)の関数関係として表現できる、とした。そして「科学目標というのは、感覚要素現象)の関数的関係を《思考経済原理》の方針沿って簡潔に記述することなのだ」といったことを主張したマッハのこの論点に立つと、物理学心理学との違いというのは、従来考えられていたような研究対象違いではないことになり、記述作り出す観点異なっているにすぎないということになる。こうした観点に立ち、マッハは「統一科学」というものを構想したマッハは、感覚直接立ち現れないことを先験的認めて命題織り込むようなことは認めない、としたわけで、いわば、実証主義中でも極端な立場を採ったことになる。 そして当時ニュートン流の粒子論(原子論)的世界観応用して理論構築しつつあり世界実在論的な見方をしていたルートヴィッヒ・ボルツマンマックス・プランクらと論争繰り広げた

※この「科学史・科学哲学」の解説は、「エルンスト・マッハ」の解説の一部です。
「科学史・科学哲学」を含む「エルンスト・マッハ」の記事については、「エルンスト・マッハ」の概要を参照ください。

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