科学史上の業績
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「エドマンド・テイラー・ホイッテーカー」の記事における「科学史上の業績」の解説
1910年、ホイッテーカーは「A History of the Theories of Aether and Electricity」(エーテルと電気の歴史)を執筆した。この本ではエーテルがルネ・デカルトに提唱されてからヘンドリック・ローレンツとアルベルト・アインシュタインらの特殊相対論によって葬り去られるまでの歴史を詳述しており、ヘルマン・ミンコフスキーの知られざる業績をも記述しているため、ホイッテーカーは評判の高い科学史家となった。 1951年には上下2分冊にされ、増補改訂版が出版された。特に下巻は大幅に書き改められ、これまでほとんど知られていなかった歴史が詳述されている。例えば、「ポアンカレとローレンツの相対論」という章では、ホイッテーカーはポアンカレとローレンツが特殊相対論の基礎をかなりのレベルまで研究していたことを示し、アインシュタイン本人の特殊相対論の論文自体の新発見はあまり多くはないことを示した。ホイッテーカーはまた、有名な特殊相対論の E = m c 2 {\displaystyle E=mc^{2}} という公式はポアンカレが既に導出していたことを示した。クリフォード・トルスデル(英語版)は、ホイッテーカーは「回想や伝承やよくできたプロパガンダよりも、著作や記録といった一次資料から直接歴史を再構成しようとし、凄まじい対立を引き起こした・・・。 」と述べている。 一方、アブラハム・パイス(英語版)は「ホイッテーカーの特殊相対論の扱いは、著者の文献への不案内と同様に彼の物理学における洞察力の欠如をいかにもよく示している」と述べている。 さらにトレッティは「ホイッテーカーの相対論の起源に関する史観は多くの学者たちに拒絶された」と述べ、マックス・ボルン(1956)、Houlton (1960,1964)、Schribner (1964)、Goldberg (1967)、Zahar (1973)、 広重徹(1976)、Schaffner (1976)、そしてミルナー(1981)らを引用した。
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