科学知識の社会学(SSK)
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「科学論」の記事における「科学知識の社会学(SSK)」の解説
1960年代~1970年代にかけてトーマス・クーンのパラダイムという概念をめぐる論争が展開されるのと並行して、科学社会学の内部に新しい動向が現れた。科学理論や概念の内容そのものを分析するようになったのである。ロバート・キング・マートンらとの仕事の違いを示すため、これらの取り組みは科学知識の社会学(Sociology of Scientific Knowledge:SSK)と総称された。 1980年代から、科学史、科学哲学、科学社会学に、文化人類学や歴史学なども組み入れた総合的な領域を「科学論(science studies)」と呼ぶようになった。SSKは、この時期の科学論を代表するものであった。
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科学知識の社会学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 06:39 UTC 版)
1960年代以降、マートンに始まる科学社会学は一つの専門分野としてようやく確立するに至る。このマートン流の科学社会学が,前述のとおり専門分野として確立する過程で科学集団に焦点を合わせたものにならざるを得なかったのに対して、 1962年に発表されたクーンのパラダイム論は、科学知識の問題と科学者集団をダイナミックに両者を切り離すことなく分析する可能性を開くものだった。 上記のようなマートン流の「科学者の社会学」に対して、クーン流の科学観と知識社会学の伝統を融合しようと努めたヨーロッパの研究者の中から、科学者集団のみならず科学知識の内容そのものに踏み込んだ研究が立ち現れてくる。その担い手は、社会学の専門教育を受けた者よりむしろ、自然科学出身のものが多かった。彼らは、文化人類学や認知科学などの成果を武器に、科学知識そのものと科学者集団およびより広い社会との関連に焦点を定め,社会における科学知識の生産・流通の意味を積極的に問おうとした。科学知識の社会学(SSK:Sociology of Scientific Knowledge)の登場である。
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