盟約の内容とは? わかりやすく解説

盟約の内容

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 03:54 UTC 版)

薩土盟約」の記事における「盟約の内容」の解説

史料として薩土盟約書は、会談参加者であった大久保利通自筆原本鹿児島県歴史資料センター黎明館玉里島津家史料残されているほか、上記寺村西郷確認のために提出した書取の写しが、西郷から長州藩山県品川通じて木戸孝允の手渡り木戸清書したものを杉孫七郎影写した文書残っており、盟約詳細を知ることができる。玉里島津家史料薩土盟約書には、後藤主張する条理主旨簡潔に4箇条要約した大綱と、それを敷衍して具体的な盟約内容踏み込んだ約定書の2通の文書存在する約定書ではまず前文で、国体制度王政復古)の回復、および大条理すなわち王政復古大政奉還の上諸侯会議興すことが急務であると主張し、それを受けてより詳細具体的な盟約内容触れた7箇条記した約定書から成っている。 明治27年1894年)の勝田孫弥西郷隆盛伝』以来、この大綱(大条理主旨)と約定書2つ文書セットが「薩土盟約書」と呼ばれ通説とされてきたが、青山忠正は両文書同様の文言繰り返しが多いことなどから、本来この2文書2点1組文書なのではなく大綱の方は6月22日の両藩会談の際に土佐側が用意していた議題アジェンダ文書であり、約定書の方はその会談結果踏まえて26日寺村から西郷送られ盟約正本であると主張佐々木克同様の意見述べている。長州側の史料である上記木戸書写文書では、前者大綱部分無く後者約定書にあたる部分のみであり、2点1組であったならば木戸後者のみを書写するのは不自然であることも、この推測裏付けるものとなっている。 約定書内容は以下の7箇条から成る大政全権朝廷にあり、皇国制度や法の一切京都議事堂から出るべきである。 議事院は諸藩費用供出成り立つ。 上院と下院分け議員公卿から諸侯陪臣庶民に至るまで正義の者を選挙し諸侯職掌によって上院充てる将軍職執政の最高官ではないので、徳川慶喜は職を辞して諸侯の列に戻り政権朝廷帰するべきである。 諸外国との条約兵庫港神戸)で新たに外務大臣交渉し新条約を制定し通商を行う。 律令以来弊害ある朝廷の制度刷新し地球上恥じない国体建てる皇国復興議事に当たる者は公平無私貫き人心一和して議論を行うべきである。 重要なのは前半の第1~4条であり、王政復古の大条理為に幕府建言して速やかに大政朝廷奉還させ、幕府将軍職ではなく朝廷執政行い国家意思議事堂決定されるという、新たな国家体制提示した約定となっている。中でも四侯会議煮え湯飲まされ薩摩にとっては、第4条にある慶喜将軍職辞任必須の条件であった。また注目すべきは第6条朝廷変革をも要請しており、摂政関白などの古来からの制度の廃止想定したもので、後の王政復古の大号令における「摂関幕府等」の廃止につながるものであった

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