現代の関心と復活
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 15:03 UTC 版)
2001年に「Electronic Journals of Martial Arts and Sciences(EJMAS)」というウェブサイトが、リチャード・ボーウェンによって大英図書館のアーカイブで発見されたバートン=ライトの沢山の雑誌記事をあらためて公開し始めた。すぐに「杖を使った護身術」の記事にはフォローを行う少数カルトが集まって、そのイラストがしばしばユーモラスな見出しやその他の変更を加えて他の多くのサイトでコピーされた。その年にはまた、英国のリーズにあるロイヤル・アーマリーズで行われた教育的展示にバーティツ棒術格闘のデモンストレーションが追加された。 2002年、バーティツ・ソサエティとして知られるバーティツ愛好家の国際協会が結成され、当時のE・W・バートン=ライトの「ニュー・アート・オブ・セルフディフェンス(自己防衛の新たな技芸)」が調査されて復活を果たした。 同協会は、正統バーティツ(1899-1902年にバートン=ライトと彼の仲間よって詳述された護身の手順)とネオ=バーティツ(規範から引き出される現代的な個別の解釈で、ただし1899年から1920年代初頭に元バーティツ・クラブの講師および生徒が作成した訓練マニュアルによる裏付けがなされている)の2つの関連分野を通して、バーティツの研究および訓練に取り組んでいる。 現代の復活は、オリジナルのバーティツ・クラブが閉鎖された時に以下の試みが進行中の作業だったという前提で、正統のシラバスとして知られているものを順守すること、および1901年頃に行われた(キック)ボクシング、柔術、棒術格闘のクロストレーニングや試練におけるバートン=ライトの実験継続を目的としている。したがって、その復活は意図的に時代錯誤な、共同で取り組む、終わりのない、誰でも参加できるプロジェクトだと考えられている。 関連した興味には、ビクトリア朝およびエドワード朝の社会史としての武道研究が含まれる。 バーティツ・ソサエティは作家ウィル・トーマス(英語版)によって設立された電子メールのグループを介してコミュニケーションをとり、個々の会員はバーティツの格闘テクニックに関する実践的なセミナーおよび訓練コースを提供している。 2003年以降、バーティツ・ソサエティの会員は世界各地で開催されるステージ・コンバットや武道の会議で、その技芸のさまざまな側面についてセミナーを教えるようになっていった。 バーティツ・ソサエティと2つの概要に触発されて導かれたバーティツの訓練プログラムは、バンクーバーを拠点とするAcademic Duelloの道場をはじめ、ドイツのヴッパータールや、カナダのサスカチュワン州カロンポート、シカゴのレーベンズウッドにある道場、ほか多くの場所で開始された。 2005年8月、協会はトニー・ウルフによって編集された本『The Bartitsu Compendium(訳:バーティツの概要)』を出版した。この概要は正統バーティツのための技術的カリキュラムのほか、その技芸の完全な歴史を詳述している。第2巻(2008年8月)は、バートン=ライト自身の著述および彼の同僚やその生徒(谷幸雄、ウィリアム・ガルド、H・G・ラング、ジャン・ジョセフ=ルノーなど)によって作られた護身術マニュアルから編み出された、ネオ=バーティツのための資料を含んでいる。 2006年9月、バーティツ・ソサエティの会員であるカーク・ローソンは『バーティツ - ザ・マーシャルアーツ・オブ・シャーロックホームズ』というタイトルのDVDをリリースした。これは06年春、Cumann Bhata道場にて歴史的西洋マーシャルアーツ(英語版)のセミナーで実演されたバーティツ技術のプレゼンテーションである。『バーティツの概要』1・2巻および『マーシャルアーツ・オブ・シャーロックホームズ』DVDの売上からの収入は、バートン=ライトの記念碑製作およびバーティツの復興を促進するために捧げられた。 2006年10月、バーティツ・ソサエティはBartitsu.orgのウェブサイトを立ち上げた。そこではバートン=ライトの武道の歴史、理論、実践、ならびにバーティツ復活に関する現在のイベントについての情報が見られる。 2010年、バートン=ライトへの意識を啓発するためのセミナーツアーが開催された。トニー・ウルフはアメリカ西海岸で連続セミナーを教え、カリフォルニアから始めてオレゴン州に移り、その後セミナーはワシントン州シアトル、そしてカナダのバンクーバーで開催された。 2009年8月にバーティツ・ソサエティはE・W・バートン=ライトと彼の護身術に関する長編ドキュメンタリーの制作を発表し、それは2011年3月に公開された。2011年8月26-28日に、最初の国際的なバーティツ・スクール・オブ・アームズのセミナーや会議のイベントが英国ロンドンで開催され、2回目のイベントは2012年9月7-9日にかけて米国シカゴで開催された。 バーティツのさまざまな側面に関する記事が、多くの格闘技専門誌(『Classical Fighting Arts』『Western Martial Arts Illustrated』『The Journal of Asian Martial Arts』など)に掲載されたほか、一般紙のウォール・ストリート・ジャーナル、シカゴ・トリビューンや『ジ・アトランティック』『ヒストリー・トゥデイ』等でも取り上げられた。その技芸は英国のテレビ番組『ジ・ワン・ショー』『サンデー・ブランチ』そしてBBC Fourのドキュメンタリーシリーズでも上映された。
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