滋賀県のダム凍結宣言とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 滋賀県のダム凍結宣言の意味・解説 

滋賀県のダム凍結宣言

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 21:52 UTC 版)

淀川」の記事における「滋賀県のダム凍結宣言」の解説

こうした淀川水系河川開発大きく揺らぐ中、2006年平成18年)の滋賀県知事選挙において当時現職だった国松善次破り当選した嘉田由紀子知事は、就任直後から新幹線新駅産廃処分場並んでダム計画を、『もったいない』のスローガンに基づき不要な公共事業として全て凍結させる発表した長野県に次ぐ自治体単位での脱ダム施策である。 対象となったのは北川第一ダム北川)・北川第二ダム麻生川)・芹谷ダム芹川)の県営ダム国直事業である大戸川ダム丹生ダム永源寺第二ダムの計6事業である。長野県の脱ダム宣言大きく異なるのは、県営ダムのみならず国土交通省農林水産省直轄ダム事業中止対象挙げている事で、就任当初から財政的問題環境問題両面よりダム事業中止すべきとの持論を展開。ダムの代替案として堤防建設森林整備中心とした自然に優しい治水事業整備図りることで、ダム依存からの脱却図ろうとした。 これに対し下流受益地である京都府京都市事業費増大対策頭を悩ませていたこともあり、知事ダム凍結宣言歓迎支持する態度表明一方で上流受益地である大津市彦根市多賀町などは「堤防建設は却って莫大な支出もたらす」としてダム建設促進要望した。水没予定住民早急な建設促進訴え知事反発した知事当初凍結態度を崩さなかったが、平成18年7月豪雨直後長野県知事選挙(田中康夫落選)の影響からか、態度をやや軟化。「他に有効な方法が無い場合ダム建設ありえる」と地元との対話重視する姿勢転換した。ただし知事治水政策について治水瑕疵(かし)により1人でも死者出た場合知事辞任する」とも話しており、退路断って滋賀県治水対策取り組もうとしている。 2006年12月には凍結宣言していた6ダムのうち、芹川支流水谷川建設計画されている「芹谷ダム」について、ダム以外の治水整備についての比較検討行った結果コストパフォーマンス的にダム案の方が勝るという結論達し知事芹谷ダム計画については前向きな検討開始した。さらに2007年平成19年)に入ると北川第一ダムについても事業推進表明何れも既存河川整備比較しコストパフォーマンス優れるという理由事業再開決めている。この他大戸川ダムについても事業容認姿勢見せている。田中康夫異なり地元との意見調整代替案との比較進めながら、財政的観点とのバランスで必ずしも「脱ダム」に固執しない柔軟な姿勢ダム依存型治水脱却進めているが、支持層のうち自然保護団体田中のような急進的なダム撤去中止を是としていたことから嘉田知事方針を「公約違反」として反発する向きもある。 河川管理者である国土交通省はこうした一連の動き静観していた。2007年に嘉田知事は「ダム凍結宣言」を撤回し大戸川丹生の両ダムについて穴あきダムとしての建設容認国土交通省建設再開促したことから事態動き出した2007年8月28日国交省近畿地方整備局が「淀川水系河川整備計画原案」を策定し凍結ダムの建設再開方針打ち出した。これを受けて大戸川ダム治水ダムとして川上ダム天ヶ瀬ダム再開発とともに建設再開された。ただし余野川ダム2008年平成20年)に中止決定丹生ダムについては貯水するか穴あきかで県と当時余呉町(現:長浜市)の対立激化した。また「流域委員会」のあり方巡り委員選定などで国土交通省側の強引な介入があったと指摘批判する声も大きい。 国土交通省は「淀川流域過去最悪大規模な洪水発生し淀川大阪市内破堤した場合には大阪市中心部水没する」というシミュレーション纏めている。全国的に毎年のように記録的な集中豪雨起こっている現状において、淀川の治水流域住民の安全と、自然保護財政負担軽減などによる板挟み中で、難し舵取り迫られている。

※この「滋賀県のダム凍結宣言」の解説は、「淀川」の解説の一部です。
「滋賀県のダム凍結宣言」を含む「淀川」の記事については、「淀川」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「滋賀県のダム凍結宣言」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「滋賀県のダム凍結宣言」の関連用語

1
4% |||||

滋賀県のダム凍結宣言のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



滋賀県のダム凍結宣言のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの淀川 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS