準備の10年間とは? わかりやすく解説

準備の10年間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 16:06 UTC 版)

カミッロ・カヴール」の記事における「準備の10年間」の解説

1848年サルデーニャ王国が対オーストリア第一次イタリア独立戦争敗北する中、憲法制定受けての初の選挙立候補した一度落選したものの、補欠選挙議員選出され37歳にして政治家としてのキャリア開始した経済知識弁舌生かして勢力信望増し1850年には父に代わって即位した保守的なヴィットーリオ・エマヌエーレ2世反対押し切ってマッシモ・ダゼーリョ内閣の下で農商務相に就任した翌年には海軍相財務相兼ね戦争により危機的状態であった政府財政旧態依然とした海軍改革行った1852年内閣改造一度閣外出てイギリスフランス外遊する。ウルバーノ・ラッタッツィ(英語版)と連合し議会での多数支持集め教会との対立により辞職したダゼーリョの推薦により、王の反対制して首相になった。イタリア統一運動では、外交により祖国であるイタリアの統一戦争進めたヴィットーリオ・エマヌエーレ2世宗教面では保守的であり、教会権限弱体化めぐっては度々カヴール対立したが、一方で当時オーストリア支配されていたロンバルド=ヴェネト王国獲得野心強くカヴールの手腕に頼らざるを得なかった。 カヴール徹底した現実主義者で、無秩序反動を招く革命非生産的であると主張した中道自由主義派率い左翼および右翼とは対立協力繰り返して操縦した。そのため、革命主義者妥協許さない共和派であるマッツィーニとは徹底的に対立した。彼は下院強力な政治基盤を築くことに成功し1861年に死ぬまで、1859年下野した半年間を除き首相の座にあったカヴールサルデーニャ王国近代化のための政策積極的に推し進め近代産業育成軍隊近代化進めた通商協定イギリスフランスオーストリアその他各国との間で結ばれ全般的に自由貿易関税導入された。また、都市間の物流・交通円滑化するために、全国鉄道網整備した。さらに国家財政基礎固めるために、強い反対押し切って修道院解散し、その土地国有化し聖職者たちへの国家からの俸給廃止した1855年)。この過程カトリック信者ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世司教たちと共謀しカヴール提出した修道院廃止法案可決妨害した。これに憤激したカヴール首相辞したが、国王彼に代わる首相見出すことができず、カヴールは再び首相に指名され法案1855年5月29日可決された。この「カラビアーナ事件」を契機に、カヴール議会続いて国王までもある程度コントロールできるようになった。これらの自由主義的政策イタリア各地亡命者ピエモンテ惹きつけ、イタリア統一運動中心地とする効果もたらした。 その一方でサルデーニャ単独ではオーストリア破ってイタリア統一達成することは不可能であり、イギリスフランスなど大国援助が必要であるとカヴール考えたクリミア戦争1853年 - 1856年)ではフランスオーストリア接近しないよう努めイギリスフランス同盟結んで1855年参戦し1万5千の将兵クリミア半島送りサルデーニャ国際的地位の向上に努めた結果として1856年パリ講和会議列席しイタリア窮状各国訴えるという当初の目的果たした反動的なイタリア諸邦の中でカヴール率いサルデーニャ王国だけが立憲主義イタリア統一への意思持続しイタリア統一主義者たちの希望集めた1858年7月カヴールオーストリアに代わってイタリアへ影響力拡大を狙うナポレオン3世との間にプロンビエールの密約を結び、国境付近イタリア人フランス人割合拮抗するサヴォワニース割譲代償に、フランス軍の対オーストリア参戦約束させた。

※この「準備の10年間」の解説は、「カミッロ・カヴール」の解説の一部です。
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