沈黙期とは? わかりやすく解説

沈黙期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/03 06:41 UTC 版)

尾崎翠」の記事における「沈黙期」の解説

帰郷後、地元新聞エッセイ寄稿したり、文芸サークル所属することもあったが、1941年昭和16年)に書いたもの(『大田洋子と私』(日本海新聞7月5日付))を最後に発表しなくなる。これに先立ち母の介護看取りかかわったことが、発表されたこの記事中からも推測されるその後母方親族とともに甥姪成長見守り戦争震災鳥取地震)とを乗り越える。特に震災では鳥取市寺町自宅被災しバラック建の家にて災害後を過ごさざるを得なかった。1947年昭和22年親友松下文子鳥取来訪し久しぶり語り合う牡蠣食べながら、「書かねばならない」と創作活動再開への関心示したと言われる1956年昭和31年)、末妹忍が死去し遺児引き取るこの頃寺田寅彦獅子文六北杜夫らを愛読しており、親族親友宛てた書簡にて、新刊本取り寄せ依頼する文面見受けられる

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沈黙期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 14:03 UTC 版)

アンナ・アフマートヴァ」の記事における「沈黙期」の解説

1921年第四詩集おおばこ』を、翌1922年には『おおばこ』に革命以後作品加えた第五詩集旧暦1921年』(Anno Domini MCMXXI)を発表。この二冊を最後に、アフマートヴァは長い沈黙期に入る。しかしこの沈黙はアフマートヴァが自ら筆を折ったためのものではなく当局強いられたものであった。『反革命的詩人であるアフマートヴァの著書発禁処分を受け、新し作品発表することもできなくなったのである。アフマートヴァの周辺でも、1925年にはエセーニンが、1930年にはマヤコフスキーいずれも自ら命を絶ち、アフマートヴァの最もよき理解者であったマンデリシュタームスターリン揶揄した詩を書いたために逮捕されヴォロネジ流刑処されることとなったそればかりかマンデリシュターム逮捕からほどなくして今度はアフマートヴァの息子レフ・グミリョーフまでもがテロリスト容疑逮捕されるという事件が起こったのである。さいわいこのときには二週間程度釈放されたが、1938年再逮捕され、シベリア流刑となった1925年、アフマートヴァは美術史家のニコライ・プーニン(Nikolay Punin)と再婚した。ただしこれは正式な結婚ではなく住宅難から新し住居を見つけることができずにいたプーニンの前妻子供との同居という奇妙な同棲生活であった。しかしこの生活も長く続かず、プーニンもまたレフとほぼ同時期に逮捕され生死定かではなくなってしまった(1953年ヴォルクタグラーグ獄死したことが後に判明した)。 1920年代後半のアフマートヴァは、プーシキン題材とした評論十数書き残している。プーシキンもまた社会によって葬られ詩人であり、詩人権力の関係をめぐるこれらの評論後年専門家からも高い評価受けている。他にも、収入の道をほぼ閉ざされていた沈黙期にはレオパルディ翻訳など学術誌発表することで糊口しのいでいた。 このころからアフマートヴァは批評家であり作家でもあるリージャ・チュコフスカヤ(Lydia Chukovskaya)と親しくなる。リージャは、かつて評論『アフマートヴァとマヤコフスキー』でアフマートヴァとマヤコフスキー比較して論じた児童文学コルネイ・チュコフスキーの娘である。リージャはまたアフマートヴァの熱烈な愛読者でもあり、秘書のような役割をも果たすこととなった二人を結びつけたもの文学だけでなく、リージャの夫である物理学者マトヴェイ・ブロンシテインもまたレフと同じ時期逮捕されていたため(ブロンシテインは間もなく処刑され1940年になってリージャはようやく死の真相知らされた)、当時ロシア吹き荒れていた恐怖政治犠牲者という運命共有していたことなどがあげられる。リージャはその日記の中でアフマートヴァと交わした文学日常生活まつわるさまざまな会話克明に記しており、これは沈黙期のアフマートヴァに関するほぼ唯一にして最も詳細な記録として後年アンナ・アフマートヴァをめぐる覚書』の題で出版されることとなった。この記録の中でとりわけ重要なのは、当時のアフマートヴァがいかにして自分作品誰にも知られることなく書き綴ることができたかを記した部分である。アフマートヴァとリージャは、1930年代詩篇のすべてを暗誦し、文字には書き残さず発禁処分解かれる日まで頭の中に保管していたのである。アフマートヴァ個人のみならず1930年代ソ連代表する長詩『レクイエム』はこうして記憶によって書かれた。

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