歴史的検証、サルコジ批判とは? わかりやすく解説

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歴史的検証、サルコジ批判

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 07:13 UTC 版)

ギィ・モケ」の記事における「歴史的検証、サルコジ批判」の解説

だが、上述戦略を含む戦時中共産党方針地下活動、特に独ソ不可侵条約締結から独ソ開戦に至るまでの困難な時期における党の大義名分離党者との関係、およびこうした状況から対独レジスタンス、特にゲリラ戦開始至った経緯について明らかになったのは2004年のことである。この年警察専門歴史学者ジャン=マルク・ベルリエール(フランス語版)が同じく歴史学者のフランク・リエーグル(フランス語版とともに機密解除された1940年から1942年警視庁文書検証して共産党員の血 - 武装闘争における青年部隊、1941年の秋』として発表した。これは、書名示唆するように、ギィ・モケ属していた共産主義青年運動の青年らによる青年部隊の隊員流した血が、共産党汚名をそそぎ、名誉挽回つながったこと、また、その過程ギィ・モケのような英雄的悲劇的な青年神話がいかに作られ利用されたかを明らかにするものであった。両研究者はさらに調査続け2007年に『裏切り者片付ける - フランス共産党隠された顔 1941-1943』、2009年に『ギィ・モケ事件 - 公式な大衆欺瞞に関する調査』 を著したとりわけ、『ギィ・モケ事件』は、2007年大統領就任したばかりのニコラ・サルコジが、ギィ・モケを「青年共産党員」としてではなく、「フランスと自由のために命を捧げた若いフランス人」として称え彼の最後の手紙フランスすべてのリセ高等学校)で読み上げるよう提案したことに対す批判であったグザヴィエ・ダルコス国民教育相は、サルコジ提案受けて毎年ギィ・モケ処刑され10月22日すべてのリセこの手紙を読み上げるようにという通達出し、しかも、「朗読をするのは歴史・地理教員限られてはならない」とした。すなわち、歴史・地理授業において第二次世界大戦自由フランス対独レジスタンスなどの文脈において教えるのとは別にこうした歴史的背景から切り離して手紙読み上げること自体重要性強調したことになり、9月24日付『フランス共和国官報』にも10月22日を「ギィ・モケ追悼する」日と記された。 この提案通達野党はもちろん、知識人現場教員からも批判殺到した歴史的背景から切り離して生徒手紙だけを紹介するのは、百年戦争フランス軍勝利導き最後に異端者として火刑処されジャンヌ・ダルクや、ヴァンデの反乱捕虜になり、王党派に国王万歳!」と叫ぶよう強要されながらも「共和国歳!」と叫んで処刑されジョゼフ・バラ場合ありがちなように、「歴史ではなく神話」を教えることになると批判された。また、ギィ・モケ処刑されたのは、共産党レジスタンス運動開始する前のことであり、彼が配布した冊子ビラはもちろん、『リュマニテ』紙にもナチズム批判ではなくヴィシー政権の「資本主義擁護」や「人民弾圧」に対す批判、あるいは上述の「帝国主義批判書かれソ連を、「社会主義祖国、自由の国、労働者理想郷」と称えるだけの内容であったため、「フランスと自由のために命を捧げた」とは言い難かった。これはギィ・モケの手紙の内容についても同様であり、彼の手紙何らかの価値観愛国心表現したものではなく両親と弟、共産党仲間たちへの思い綴った私信にすぎなかった。加えてサルコジ右派の代表でありながら大統領選挙戦中から、フランス社会党(SFIO)率い『リュマニテ』紙の創刊者でもある左派ジャン・ジョレスについて、「今日左派ジョレス左派とほとんど関係がない。今日左派にはもはや社会変える力がない」、「自分こそがジョレス後継者だと感じる」として批判浴びていただけに、再び左派英雄神話利用した批判された。この結果2009年9月24日付『官報』では、「イニシアティヴは各教育機関委ねられる」と、事実上手紙朗読義務付けられなくなった

※この「歴史的検証、サルコジ批判」の解説は、「ギィ・モケ」の解説の一部です。
「歴史的検証、サルコジ批判」を含む「ギィ・モケ」の記事については、「ギィ・モケ」の概要を参照ください。

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