歴史的方言の成立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 05:03 UTC 版)
ギリシア語の起源および初期の歴史は、同時代の史料が欠けており判然としない。そのため、いくつか仮説が存在する。初期のギリシア語的特徴を有する言語がインド・ヨーロッパ祖語から分岐(遅くとも紀元前2000年までに)してから紀元前1200年頃まで、どのような古代ギリシアの方言群が存在していたのか。どの仮説も概要は共通しているものの、細部で異なる。上記の時代で存在が証明されているのはミケーネ語だけだが、歴史的方言とその背景に鑑みるに、全ての方言群が当時すでに何らかの形で存在していたとも考えられる。 古代ギリシア語の主な方言は、紀元前1120年(ドーリス人の侵入の時期)までには発達していたとされる。ギリシア文字によるはっきりとした記録が確認されるのは紀元前8世紀以降である。古代のギリシア人は、自身にドーリス人・アイオリス人・イオニア人という3つの主な区分があると考えており、それぞれ弁別的な方言を有していた。人目につかない山岳地帯のアルカディアと、学問の中心から離れたキュプロスを見落としていたという点を斟酌すれば、上記の区分は現代の歴史言語学の調査結果と酷似している。これは、方言の内実と変化を理解する上で非常に重要である。
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