歴史的文献として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 15:23 UTC 版)
「ソロモン・ノーサップ」の記事における「歴史的文献として」の解説
ノーサップによる回想記は奴隷体験記のジャンルに収められるものの、研究者のサム・ワーリー(英: Sam Worley)は、作品がこのジャンルの標準的書式になっていないと指摘している。ノーサップは白人男性のデイヴィッド・ウィルソン(英: David Wilson)の助けを受けてこの本を書いたほか、ワーリーによれば、題材に対し偏見があると信じる人もいるという。ウィルソンが回想記で自らの興味を追求したのではないかという心配もあるが、ワーリーはこれについては考慮に入れていない。彼は回想記についてこう書いている。 「『トウェルブ・イヤーズ』は圧倒的にノーサップの話で、別人の話ではない。[作品には]経験の詳細にまで驚くほど注がれた注意力や、ノーサップの経験の複雑さを不毛な道徳寓話にするのは不本意だという意志が感じられる」"Twelve Years is convincingly Northup's tale and no one else's because of its amazing attention to empirical detail and unwillingness to reduce the complexity of Northup's experience to a stark moral allegory." ノーサップの伝記を書いたデイヴィッド・フィスク(英: David Fiske)は、本の執筆におけるノーサップの役割について調べ、ノーサップが著作者であることを断言している。ノーサップの記述した回想記は、奴隷制度を専門とする多くの研究者に用いられている。ノーサップの回想記には、ワシントンでウィリアム・ウィリアムズが所有していた奴隷小屋について記載した部分があり、アメリカ合衆国議会議事堂が見える場所に建てられていたこの「イエロー・ハウス」(もしくは「ウィリアムズ・スレイヴ・ペン」)に関する記述は、コロンビア特別区の奴隷制度史の記録として研究者を助けている。
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