朝鮮の主要な本貫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 14:52 UTC 版)
金海金氏:金官伽耶(駕洛国)の王族をルーツとする氏族。伽耶初代王首露王の子孫と称する。同名の本貫に文禄・慶長の役時の日本の降将沙也可(金忠善)を始祖とするものがあるが別本貫扱いになる。区別する場合は前者を駕洛、後者を友鹿と呼ぶ場合がある。金海許氏は金官伽耶の首露王の子孫とし、金海金氏と同本貫扱いとする。これは、首露王と王妃許氏の間に10人の息子がおり、そのうち2人に許姓を名乗らせたということから来ている。 密陽朴氏:新羅景明王の長男の朴彦忱をルーツとする氏族。新羅初代王朴赫居世を始祖と称する。 全州李氏:新羅の高官李翰を始祖と称する。公式的には李氏朝鮮の初代李成桂はこの氏族の出とされている 開城王氏:高麗太祖王建の曾祖父で高麗王国祖として追封された元徳大王を始祖とする高麗王の氏族。李氏朝鮮樹立後の大虐殺を受けその数が激減した。 慶州金氏:新羅王族をルーツとする氏族。金姓新羅王の祖の金閼智を始祖と称する。 全州金氏:新羅末期の第56代敬順王の第4王子金殷説の8世孫の金台瑞が蒙古の侵攻によって全州に移住し始祖となる。 善山金氏:新羅王族をルーツとする氏族。新羅王族の金宣弓を始祖とする。 慶州李氏:新羅初期の豪族をルーツとする。始祖を李謁平と称し、新羅建国時の6村(新羅六部)の一つ及梁部の村長をしていた。 慶州崔氏:慶州李氏と同じく、新羅建国時の新羅六部の一つ沙梁部の村長だった蘇伐都利(崔淵源)を始祖と称する。 慶州鄭氏:新羅建国時の新羅六部の一つ、本彼部の村長だった智伯虎を始祖と称する。儒理王のときに鄭姓を賜姓されたとしている。第42代子孫である鄭珍厚を中祖として本貫を慶州鄭氏とした。智伯虎を先祖とする鄭氏の本家格である。 延日鄭氏:智伯虎の子孫で、新羅の諫議大夫である鄭宗殷が始祖。迎日鄭氏、烏川鄭氏ともいう。知奏事公派、監務公派、良粛公派に分かれる。 東萊鄭氏:智伯虎の子孫で、高麗の安逸戸長である鄭絵文が始祖(鄭絵文の先系は昔脱解王時、高句麗系の多婆那国人の説がある)。 河東鄭氏:同じ本貫ながら、智伯虎の子孫である鄭道正を始祖とする派と、鄭遜位を始祖とする派、鄭膺を始祖とする派がある。 海州呉氏:始祖は高麗に宋から渡来した呉仁裕。 南陽洪氏:高麗の功臣洪殷悦が始祖。新羅の善徳女王時代に唐から渡来した。 水原白氏:新羅太宗期に唐から渡来した白宇経を祖とする。 漢陽趙氏:始祖は高麗時代の趙之寿。中国からの渡来人。趙光祖などを輩出。 文化柳氏:始祖は高麗建国の功臣柳車達。中国からの渡来人。 咸安趙氏:始祖は趙鼎。五代十国の後唐から新羅に渡来。 昌原黄氏:始祖は黄石奇・黄忠俊・黄亮沖。後漢の光武帝期の建武4年に新羅に渡来した黄洛の末裔。 平澤林氏:始祖は林彦修・林世春。殷の紂王時代の比干を起源とする。 江陵劉氏:始祖は劉承備。劉邦を祖とする。宋から高麗文宗36年に亡命。 利川徐氏:始祖は徐神逸。新羅の孝恭王の時代に唐から渡来。 丹陽禹氏:始祖は禹玄。中国から高麗に渡来し、1014年の科挙に合格。 長水黄氏:始祖は黄瓊。後漢の光武帝期の建武4年に新羅に渡来した黄洛の末裔。 新安朱氏:始祖は朱潜。朱熹の子孫。南宋の朱潜がモンゴル侵入時に高麗に亡命。 延安李氏:始祖は李茂。唐の高宗期の百済侵略時の唐の将軍。後に新羅に帰化。 驪興閔氏:始祖は閔称道。孔子の弟子の閔子騫の子孫。京畿道驪州に土着し、李氏朝鮮の王后多数を輩出。 玄風郭氏:始祖は郭鏡。宋の弘農出身。1133年に高麗に渡来。 平海黄氏:始祖は黄温仁。後漢の光武帝期の建武4年に新羅に渡来した黄洛の末裔。 寧越厳氏:始祖厳林義。新羅の景徳王時代の中国からの渡来人。霊山辛氏・寧越辛氏始祖と共に渡来。 忠州池氏:始祖は池鏡。960年宋から高麗に渡来。 羅州羅氏:始祖は羅富。中国豫章から高麗に渡来。正義大夫、監門衛上将軍を歴任し羅州に住む。 豊川任氏:始祖は任温。中国紹興府慈渓県人。1275年忠烈王妃が入妃するに伴って渡来。 驪陽陳氏:始祖は陳寵厚。高麗時代の官僚。宋の徽宗期の渡来人陳琇を祖とする。 交河盧氏:唐の翰林学士盧穂が新羅に渡来。その次男盧塢が、新羅の交河伯に封じられたのを祖とする。 光山盧氏:唐から新羅に渡来した盧垓の息子盧穂が光山伯に封じられたのを祖とする。 霊山辛氏:始祖は新羅の景徳王時代に中国から渡来した辛鏡。寧越厳氏始祖と共に渡来。 長興魏氏:新羅の善徳女王の時代に唐から来た八学士の一人魏鏡を始祖とする。 慶州孫氏:新羅建国時の新羅六部の一つ、漸梁部の村長だった仇礼馬を始祖と称する。 慶州裴氏:新羅建国時の新羅六部の一つ、漢祇部の村長だった祇沱を始祖と称する。中祖とする裴玄慶は高麗の開国公臣である。 清州韓氏:始祖は、箕子朝鮮の最後の王準王の3人の子のうちの韓蘭。
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