昭和20年代後期のオート三輪の巨大化とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 昭和20年代後期のオート三輪の巨大化の意味・解説 

昭和20年代後期のオート三輪の巨大化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 05:48 UTC 版)

オート三輪」の記事における「昭和20年代後期のオート三輪の巨大化」の解説

戦後1949年までオート三輪について公定価格設定されており、また燃料供給事情良くなかったことや、戦前形設計から大きく飛躍したモデルへニーズがまだ薄かったこともあり、エンジン排気量車体大型化はさほど顕著でなく、エンジン主流戦前以来の700cc前後単気筒型が占めていた。 しかし、ドッジ・ライン以降不況下でオート三輪公定価格制1949年10月終了以後各社間の自由競争時代へと突入する。そして1950年6月勃発した朝鮮戦争に伴い日本いわゆる朝鮮特需による好況転換中小零細企業までが一気活況呈し末端輸送手段としてのオート三輪への需要高まった。時を同じくして燃料供給事情急速な改善へと向かった。 また1951年7月施行の「道路運送車両法」で、オート三輪については、通常の四輪車異なり車体幅や車体長、さらには排気量について制約撤廃された(監督官庁に「オート三輪軽便車両」という先入観があり、四輪トラックほどの大型化予想していなかった事情がある)。 同時期の世界的な四輪トラック市場は、1940年頃まで2t積み以下が主流だったところ、戦時中終戦後にかけての輸送需要増大受けて大型化急激に進んでいた。モータリゼーション遅れた日本でも主要メーカー大型トラック戦前の1.5t~2tクラス大型化戦時中からは4tないし5t積み主流になった結果、750kg積み以下の在来オート三輪との間、1~2t級トラック市場空白化したが、主要な四輪トラックメーカーのこのクラスへの対応は1t積み車の展開がせいぜいで、全般に立ち遅れていた。ここにユーザー新たなニーズ生まれサイズの「たが」が外れたオート三輪割り込む余地出現したであった。 こうして1952年以降オート三輪巨大化長大化が一気進んだ制約排気量応じた荷重のみであり、750cc車は1952年以降従前の500kgから750kg積みへ、1000cc車は1t積み、1200cc車が1.5t、1500cc車が2tとなった末端ユーザーはその規格無視して過積載したが、メーカー側過積載折り込んでシャーシ強度確保していた(そもそも過積載に耐えられなければ市場認められなかった)。戦後しばらくのオート三輪主流であった750kg積み車の市場比率1952年58%から、1957年には9%まで下がり、一方で1952年以降1955年度まで1t積み車の比率50%55%の高率になり、2t積み車は1952年2%1957年には同年の1t積み車と同等38%に達した。 1953-54年には、幅1.9m級、全長6m弱、荷台13尺(約3.9m。戦後しばらくの間一般社会には尺貫法根付いていたことから、トラック荷台長は顧客向けの案内では尺単位表現されることが多かった)という、サイズの上では上位クラス4輪トラック上回るような2t 積みオート三輪が各メーカーから続々出現する事態生じたエンジンについて大排気量化によるコストアップが厭われたことや、オート三輪一般的であった単気筒ないし2気筒エンジンでは1500ccを超える大排気量化に適さないという事情もあり、車体ほどの大型化生じなかった。エンジンに至るまで小型車枠外製造された普通三トラックは、高知県高知自動車工業4輪トラック改造により限定生産されていたトクサン号のみである。 オート三輪はこうしてあまりに際限なく野放図に巨大化したため当時運輸省1955年至ってようやく「小型自動車扱いオート三輪は、現存するモデル上の大きさにしてはならない」と歯止めを掛けることになる。この運輸省通達出た時点で、小型自動車扱いオート三輪最大例で、全長6.09m、幅員1.93mという度外れサイズ達していた。オート三輪元来軽便な貨物車であるという性質もあり、ほぼ全てのオート三輪メーカー排気量抑制小型車規格扱いとなるような車種設定徹していた。

※この「昭和20年代後期のオート三輪の巨大化」の解説は、「オート三輪」の解説の一部です。
「昭和20年代後期のオート三輪の巨大化」を含む「オート三輪」の記事については、「オート三輪」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「昭和20年代後期のオート三輪の巨大化」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「昭和20年代後期のオート三輪の巨大化」の関連用語

昭和20年代後期のオート三輪の巨大化のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



昭和20年代後期のオート三輪の巨大化のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのオート三輪 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS