旧国鉄と直通する私鉄各社の対応
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「特別席」の記事における「旧国鉄と直通する私鉄各社の対応」の解説
なお、旧国鉄と直通する私鉄各社ではグリーン車を連結する事例が存在していた。また、JR化以降も含めると以下の例がある。こちらも参照されたい。 伊豆急行では伊豆急行線開業時より1988年まで100系電車にグリーン車を設け、普通列車での運用をしていたが、1987年にそれまでのグリーン車に代わり、「ロイヤルボックス」という名称で線内均一料金の特別席として設定される。1990年に2100系電車「リゾート21」にもこれを設け、普通列車に利用した。しかし、2015年現在では特急「リゾート踊り子」として使用される際にのみグリーン車代用として連結されるのみである。なお、国鉄・JR東日本は乗り入れをしている特急「踊り子」・「スーパービュー踊り子」にはグリーン車を連結しているが、普通列車の乗り入れでは連結を行っていない。 東武鉄道では特急専用車両である100系電車「スペーシア」に特別席として設けていた4人個室を、2006年に開始した「スペーシア日光」・「スペーシアきぬがわ」としての運用の場合に東日本旅客鉄道(JR東日本)管内ではグリーン座席扱いとした。 第三セクター鉄道の内、JRとの乗り入れの兼ね合いでグリーン席を設置する場合もある。 土佐くろしお鉄道が四国旅客鉄道(JR四国)に乗り入れる形となることから、JR四国2000系気動車のうちグリーン車1両を含む4両を自社所有するが、管理はJR四国に一任されている。 変わった事例は智頭急行で、智頭急行線に乗り入れているJR西日本車両にはグリーン車が設定されていない一方、自社保有となるHOT7000系気動車にはグリーン車が設定されている。当初、JR西日本が大阪 - 鳥取間で運行していた「はくと」にはキハ181系気動車を充当していたためグリーン車が設定されていた一方で、智頭急行ではHOT7000系気動車を用いた「スーパーはくと」にはグリーン車を設定しなかったため、利用客からグリーン車の設定を望む声があり、それに応える形でサービスギャップの補完を目的として同系列にもグリーン車が設定された。後にHOT7000系気動車使用による「スーパーはくと」一本化でキハ181系気動車使用の「はくと」が廃止されたため、現在の形となった。なお、現在でもJR西日本からの乗り入れは岡山駅発着の「いなば」→「スーパーいなば」があるが、「いなば」時代からグリーン車の設定はない。 WILLER TRAINS(京都丹後鉄道)の場合、委託された北近畿タンゴ鉄道所有車でのグリーン車の設定は無いが、当初は京都駅発着の気動車特急「あさしお」に、後に新大阪駅発着の「文殊」、「あさしお」を電車化した「はしだて」の両電車特急にグリーン車の設定がある。 なお、以下の会社では国鉄から又は国鉄への乗り入れにより一等車→グリーン車を設定していた。 名古屋鉄道では高山本線乗り入れ準急→急行「たかやま」で1965年の設定当時より設定していたが、利用率の低下と、キハ8000系気動車の運用の変更に伴う車両改造から、1969年に連結を終了している。 伊豆箱根鉄道では国鉄から駿豆線に乗り入れる湘南・伊豆準急→急行列車群に設定されていたが、1975年のダイヤ改正に伴う編成組成の変更によりグリーン車の連結を廃止、乗り入れを終了している。 小田急電鉄の場合、1991年に連絡急行「あさぎり」号によるJR御殿場線への直通運転の形態を、片乗り入れから相互乗り入れへと変更。併せて種別を特急へと格上げすることとした。この際乗り入れ相手の東海旅客鉄道(JR東海)と協議した結果、両社が規格を統一した専用車両で運用することとなり、その規格を満たすために製造された20000形電車「RSE」とJR東海371系電車には特別席が設定された。この特別席は、JRではグリーン席の名称が、小田急では自社の特急である「はこね」・「スーパーはこね」・「ホームウェイ」などで同形電車を使用する際に「スーパーシート」の名称が、それぞれ用いられた。その後2012年に「あさぎり」の運行形態を変更・運行区間を短縮したうえ、再び小田急電鉄の片乗り入れへ変更した。その際、20000形電車「RSE」とJR東海371系電車から、特別席の設定がない60000形電車「MSE」へと車種が変更されたことにより、特別席は廃止された。 北越急行では、開業時から北陸新幹線長野 - 金沢間延伸開業日前日(2015年3月13日)まで、乗り入れ先となる西日本旅客鉄道(JR西日本)の特急形電車である681系電車及び683系電車を所有し、特急列車「はくたか」として使用していた。このため、JR西日本の運用編成と同等のサービスとするため、グリーン車を設定していた。
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