北近畿タンゴ鉄道とは? わかりやすく解説

北近畿タンゴ鉄道株式会社


北近畿タンゴ鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/16 23:03 UTC 版)

北近畿タンゴ鉄道株式会社
Kitakinki Tango Railway Corporation
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 KTR
本社所在地 日本
626-0047
京都府宮津市字外側2500番地2
設立 1982年昭和57年)9月22日
(宮福鉄道株式会社)
業種 陸運業
法人番号 2130001042043
事業内容 鉄道事業(施設保有) 他
代表者 代表取締役社長 北村 哲也
資本金 14億円
(2019年3月31日現在[1]
発行済株式総数 2万8,000株
(2019年3月31日現在[1]
売上高 1億4281万7000円
(2019年3月期[1]
営業利益 △10億9012万9000円
(2019年3月期[1]
純利益 △2億3426万1000円
(2019年3月期[1]
純資産 16億4882万3000円
(2019年3月31日現在[1]
総資産 28億9789万円
(2019年3月31日現在[1]
従業員数 7名(2019年8月1日現在・嘱託員及び京都府よりの出向者含む)
決算期 3月31日
主要株主 京都府 44.72%
京丹後市 9.25%
宮津市 8.91%
京都北都信用金庫 6.72%
福知山市 6.44%
(2019年3月31日現在[2]
外部リンク http://www.ktrtetsudo.jp/
特記事項:取締役には上記3名以外に兵庫県県土企画局長のほか、丹後海陸交通社長、など6名
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北近畿タンゴ鉄道株式会社(きたきんきタンゴてつどう、英語: Kitakinki Tango Railway Corporation、略称:KTR)は、京都府兵庫県で鉄道2路線の施設を保有する第三セクター鉄道会社第三種鉄道事業者)である。本社は京都府宮津市字外側2500番地2にある。

概要

日本鉄道建設公団が建設した宮福線と旧日本国有鉄道(国鉄)特定地方交通線の鉄道路線宮津線の施設を保有している。

社名の「タンゴ」は、路線の所在する地域の旧国名である丹後国に由来し、音楽のタンゴにも掛けている。

2009年度時点で日本の第三セクター鉄道の中で一番赤字額が大きい[3]。20期以上連続で赤字を計上しており、京都府や沿線市町、兵庫県から毎年4 - 5億円の経営対策補助金の拠出を受けて経営を維持している。京都府と兵庫県の間で経営対策補助金の負担割合について折り合いがつかず、兵庫県が京都府の請求より800万円少ない額しか負担しないなどの不協和音が生じている[4][5]

2015年4月1日より、鉄道事業再構築事業上下分離)により宮福線・宮津線の鉄道運行事業をWILLER ALLIANCE(現・WILLER)の子会社であるWILLER TRAINS株式会社に移譲し、WILLER TRAINSが第二種鉄道事業者として京都丹後鉄道(きょうとたんごてつどう、英語: Kyoto Tango Railway、略称:丹鉄)の名称で鉄道運行事業を行っている。北近畿タンゴ鉄道は同日以降、鉄道施設の保有のみを行う第三種鉄道事業者となった[6][7]

列車の運行に対して、KTRはWILLER TRAINSから線路使用料を受け取っている。

歴史

  • 1982年(昭和57年)9月22日宮福鉄道株式会社として設立。
  • 1988年(昭和63年)7月16日:宮福線開業[8]
  • 1989年(平成元年)8月1日:JR宮津線の引き継ぎに備え北近畿タンゴ鉄道株式会社に商号変更[9]
  • 1990年(平成2年)4月1日:JR宮津線を引き継ぎ宮津線開業[9]。特急「タンゴエクスプローラー」運転開始[9]
  • 1996年(平成8年)3月16日:宮福線、宮津線宮津 - 天橋立間が電化開業。特急「タンゴディスカバリー」運転開始。特急「はしだて」「文殊」の直通運転開始。
  • 1999年(平成11年)10月2日:JR舞鶴線の電化開業にともない、「タンゴエクスプローラー」と「タンゴディスカバリー」の系統振替え。
  • 2007年(平成19年)
  • 2013年(平成25年)
    • 4月14日水戸岡鋭治のデザインによるリニューアル車両、「丹後あかまつ号」と「丹後あおまつ号」の運行を開始。
    • 6月28日:本社を宮津市(宮津駅2階)に移転。
  • 2014年(平成26年)
    • 5月8日:収益改善のため施設保有と鉄道運行を分離し、鉄道運行を日本全国で高速路線バス事業を行っているWILLER ALLIANCE(現・WILLER)に移行すると発表[10]
    • 5月25日:水戸岡鋭治デザインによるリニューアル車両「丹後くろまつ号」の運行を開始。
  • 2015年(平成27年)
    • 3月11日:鉄道事業再構築事業の認定[11]
    • 4月1日:鉄道運行事業をWILLER ALLIANCE(現・WILLER)の子会社であるWILLER TRAINS株式会社に移譲。WILLER TRAINSが宮福線・宮津線の第二種鉄道事業者となり、京都丹後鉄道の名称で鉄道運行事業開始。北近畿タンゴ鉄道は両線の第三種鉄道事業者となる。同時に北近畿タンゴ鉄道の本社を現在地(WILLER TRAINS宮津工務部の敷地内)に移転。

将来の課題

鉄道事業再構築計画は、2024年度までの10年間である。当面は、運行部分はWILLER TRAINS株式会社が民間のノウハウを活用して自立的に収支バランスをとること、基盤部分は社会インフラとして沿線自治体がしっかり支えることの達成が、第二種鉄道事業者、第三種鉄道事業者、沿線自治体の課題となっている。これが、運行部分と基盤部分を上下分離した目的である。

路線

北近畿タンゴ鉄道路線図
(-2015年3月31日)
京都丹後鉄道(WILLER TRAINS)移行後の路線名・駅名
(2015年4月1日-)

車両

京都丹後鉄道に移管される前に廃車された車両

運賃・料金

第三種鉄道事業者となった後は、北近畿タンゴ鉄道として乗車券・特急券等は発売していない。

KTRブログ駅長

沿線地域の振興に想いを持つ人が、北近畿タンゴ鉄道公式サイトに設けられたブログ上の駅長として、駅やその地域での体験や魅力情報を発信することで、地域のPRや話題づくりなど地域振興を担っていた。2007年9月14日より2011年3月31日まで掲載された。

野田川駅のブログ駅長は、2008年に関西テレビ☆京都チャンネル制作の『電車女☆春の旅』に出演している。また、KTR700・800形の愛称を募集し、『あおタン』という愛称に決まり、ブログ内で愛称の使用が開始されたが、正式な愛称ではない。

作品における描写

国鉄/JR宮津線時代に描かれたものは除く。

脚注

  1. ^ a b c d e f g 第37期決算公告
  2. ^ 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』令和元年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会
  3. ^ “三セク鉄道の黒字5社だけ 赤字30社の損失総額34億円 09年度経営状況”. 47NEWS(共同通信) (株式会社全国新聞ネット(共同通信社)). (2010年7月14日). オリジナルの2012年1月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120108133619/http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010071401000927.html 2015年4月1日閲覧。 
  4. ^ “KTR、公的支援や減便など議論へ 府、検討委設置”. 京都新聞 (京都新聞社). (2011年2月1日). オリジナルの2011年2月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110205105538/http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110201000155 2015年4月1日閲覧。 
  5. ^ 京都新聞、2011年2月5日
  6. ^ “北近畿タンゴ鉄道から京都丹後鉄道へ - WILLER TRAINSの"大きな構想"とは?”. マイナビニュース (マイナビ). (2015年2月4日). オリジナルの2015年2月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150205152300/http://news.mynavi.jp/articles/2015/02/04/willertrains/ 2015年4月1日閲覧。 
  7. ^ “北近畿タンゴ鉄道は「京都丹後鉄道」に…WILLER TRAINSが発表”. Response. (株式会社イード). (2015年1月29日). オリジナルの2015年1月29日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150129142523/http://response.jp/article/2015/01/29/242921.html 2015年4月1日閲覧。 
  8. ^ 「JR年表」『JR気動車客車情報 89年版』ジェー・アール・アール、1989年8月1日、142頁。ISBN 4-88283-110-4 
  9. ^ a b c 「私鉄年表」『私鉄車両編成表 90年版』ジェー・アール・アール、1990年10月1日、164-165頁。 ISBN 4-88283-211-9 
  10. ^ “KTR運行会社 ウィラー社に決定”. 京都新聞 (京都新聞社). (2014年5月8日). オリジナルの2014年5月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140508183041/http://kyoto-np.co.jp/top/article/20140508000172 2015年4月1日閲覧。 
  11. ^ 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく鉄道事業再構築実施計画の認定について〔北近畿タンゴ鉄道:宮福線及び宮津線、近畿日本鉄道:内部(うつべ)線及び八王子線〕』(プレスリリース)国土交通省、2015年3月10日https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo05_hh_000062.html2015年4月1日閲覧 
  12. ^ 「けいおん!」第1期第4話の舞台になった丹後由良へ・・・”. 北近畿タンゴ鉄道(KTR荒河かしの木台駅ブログ駅長) (2010年4月27日). 2011年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月1日閲覧。
  13. ^ KTRに新たなラッピング車両が登場! 12/3より』(プレスリリース)北近畿タンゴ鉄道、2011年11月29日。オリジナルの2011年12月6日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20111206231001/http://ktr-tetsudo.jp/news/archives/011503.php2011年11月30日閲覧 
  14. ^ 消える飛行機雲・・・追いかけて追いかけて・・・「AIR」聖地巡礼と+αの旅”. 北近畿タンゴ鉄道(KTR荒河かしの木台駅ブログ駅長) (2010年12月31日). 2012年2月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月1日閲覧。

外部リンク


北近畿タンゴ鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:32 UTC 版)

けいおん!」の記事における「北近畿タンゴ鉄道」の解説

2011年12月3日から2012年2月19日まで、宮福線および宮津線にて「けいおん!」のラッピング気動車(KTR700形705号車)を運行した。なお、この列車ラッピング地元ボランティアの手行われた

※この「北近畿タンゴ鉄道」の解説は、「けいおん!」の解説の一部です。
「北近畿タンゴ鉄道」を含む「けいおん!」の記事については、「けいおん!」の概要を参照ください。

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