旧国鉄における吊し上げ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 01:54 UTC 版)
旧国鉄(日本国有鉄道)で行なわれたものが有名である。ここでは主に旧国鉄における吊し上げについて記述する。 職場において一般職員が管理者(管理職)に対し強圧的な態度で暴言などを浴びせ、恐怖感を与える行為をいう。1人の管理者に対し複数の一般職員で吊し上げをおこなう場合もあるし、複数の管理者に対し、それを上回る人数の一般職員で吊し上げを行なう場合もある。人数で圧倒するものである。机を蹴っ飛ばして凄んだりする場合もある。 通常、一般職員が職制(管理職)に対して行なうが、一般職員同士でも行なわれる場合がある。例えば、対立している別の労働組合関係者と親しくしていたりすると「裏切り者」ということで吊し上げられる。吊し上げる側は「心配した仲間が問いただした」と称したりする。 吊し上げの目的 吊し上げの目的は、管理者の指揮能力を弱体化させ、なるべく自分たちの仕事が楽に(作業量を少なく)なるようにすることが主な目的である。管理者が指示した作業を行なわず、注意されると吊し上げで対抗する。そうなると結局管理者が作業を代行しなければならなくなる。また、当局側にも“事なかれ主義”がなかったとは否定できない。 組合のビラを剥がして吊るし上げられる場合もあった。かつては、全国で組合が貼った「不当処分粉砕」といったビラをバケツを片手に剥がしている職制の姿がよく見られた。 しかし、利用者不在の旧国鉄の労使闘争は1973年についに上尾事件・首都圏国電暴動という形で、日頃不満を鬱積させられていた利用者側からの怒りが炸裂。以降、マスコミが国労批判に回ったこともあり、国労・動労は一般利用者から目の敵にされるようになった。国鉄の通勤路線で輸送障害が発生すると、それが運行側に落ち度がない場合であっても、ストレスのはけ口として国労バッジの職員が利用者に取り囲まれて吊るし上げられるという、しっぺ返しを食らうことになった。
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