微生物との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 00:40 UTC 版)
Heptingは本種に関連する一般的な病気について述べている。それによると本種において特に問題になるのは、フザリウム(Fusarium spp.)やMacrophomina spp.が引き起こし若い苗が感受性の高い根腐れ(立枯)病とサビキンの仲間、Cronatrium quercumm f. sp. fusifromeが引き起こすfusiform rust(意訳:紡錘さび病?)である。心材の腐朽を引き起こすものもいくつか知られている。主に幹の心材を腐朽させるものとしてPhellinus pini、根株の心材を腐朽させる(根株心腐病)を引き起こすものとして、マツノネクチタケ(Heterobasidion annosum)やカイメンタケ(Phaeolus schweintiziiが知られている。中でもマツノネクチタケは伐根(切株)に付着した胞子が、成長し地中の根の接触部分から健全個体へと感染を広げていくことが多く、人工林を経営する上では大きな問題になる。 発芽床は土壌のpHが6.0より高く、水分が少ないと根腐れしやすい。特に30℃以上の気温が長期間続くと激害となる。サビキンの感染によるfusiform rust のはアメリカ南部において苗床・造林地を通じて主要な病気であり、感染率を低く保つためには厳格な薬剤散布計画が求められる。 幹の病害の中でも最も深刻なのはfusiform rust である。この病気はバージニア州(Virginia)からテキサス州(Texas)において若い木を枯死させてしまう。また老齢個体であっても病変部に著しい変形をもたらして木材としての価値を下げる。エキナタマツ (Pinus echinata) との雑種はこの病気に対して比較的抵抗性を持つことで知られる。 子嚢菌の一種 Ascocalyx属の菌は幹に溝腐れ様の症状をもたらす。リギダマツとの雑種個体はこの病気に対してやや抵抗性を示す報告がある 日本で問題になっているマツノザイセンチュウ (Bursaphelenchus xylophilus) の感染に対しては強い抵抗性を持ち、通常の接種量ではマツ材線虫病を発症しない。日本の在来のマツの抵抗性系統は本種並みの抵抗性を持つものの選抜・固定を目標にしている。 フザリウムはカビの一種である。 立枯病による根腐れにより枯死した実生 マツノネクチタケ(Heterobasidion annosum) カイメンタケ(Phaeolus schweinitzii)
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微生物との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 10:12 UTC 版)
他の多くのマツと同様、いくつかのキノコと共生し菌根を形成することが知られている。菌根の形成により、水分や栄養分の吸収能力の向上、菌糸の生産する化学物質による病原菌からの保護などが利点として考えられている。一方でいくつかの菌類はマツに寄生し、病原性を発揮する。Phellinus pini、カイメンタケ (Phaeolus schweintzii)、 ツガサルノコシカケ (Fomitopsis pinicola) 、ナラタケ (Armillaria mellea)やマツノネクチタケ (''Heterobasidion annosum) である。特にカイメンタケやマツノネクチタケが引き起こすものは根株心腐病、ナラタケが引き起こすものはならたけ病といい、本種に限らず多くの樹木で問題になる。 本種が若い時にかかる主な病気には以下のようなものがある。葉のさび病はColoosporium asterumが原因であり、発症すると落葉する。Diplodia pineaやSircoccus strobillnusや苗床にいるような若い個体で胴枯病(blight)を引き起こす。Gremmeniella abientinaが引き起こす腫瘍病(en:Scleroderris canker)は苗床や若い植林地で大きな被害をもたらし、この病気に対応する術を持たなかった時代には激害地に植林すると平均40%あまりの苗木がこの病気で枯死していた。この病気は針葉の付け根を黄色くするのが外見的な特徴である。なお、同じ菌による病害は日本でも問題になっている。特に北海道のトドマツ (Abies sachalinensis) で問題になっており、トドマツ枝枯病の名を持つ 本種は成長が阻害される程度から、大量死を招くものまで様々な種類のさび病に感染しやすい。これらは苗床で蔓延することが多い。Croartium comptoniaeが引き起こす発疹さび病(Sweet fern Blister Rust)は時に多くの苗木を枯死させる。この菌はマツとヤマモモ科の低木 Comptonia peregrina (英名:sweet fern) との間で交互に感染して過ごす。この病気は年取った個体には影響を与えない傾向がある。もっと流行しているのはC. quercuum を原因としナラ類と交互に感染するさび病で英名をEastern Gallという。酷い時には50%近くの苗木がこの病気に感染し、幹に瘤(gall)を形成して多数枯死してしまうことがある。ミネソタ州ではC. colesosporioidesによるcankerも多発している。サビキンの仲間には前記のように2種類以上の植物に交互に感染して過ごすという生活環を持つものが多いが、Endocronartium harknessiiはマツからマツへと感染することが出来る。この菌による病気はWestern Gallと呼ばれる。このような菌は早期に蔓延してしまうことが考えられ、危惧されている。 コントルタマツとの雑種は発疹さび病 とEastern Gallに対する感受性が純粋なものよりも高くなることが確認されている。 ヤマモモ科のComptonia peregrina、サビキンの一方の宿主である 発疹さび病を発病したモンチコラマツ P. monticola。本種に発生するものとは原因菌が違うが症状としては同じようなものである。 重大な病害Scleroderris canker。色々な針葉樹に発生する ナラタケ Armillaria mellea は優秀な食用菌としての面と森林病原菌としての面を持つ マツノネクチタケ Heterobasidion annosumは多くの針葉樹を腐朽させる ツガサルノコシカケ Fomitopsis pinicola カイメンタケ Phaeolus schweintzii
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微生物との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/15 09:28 UTC 版)
他のマツ同様、根と菌類が共生して出来た菌根を形成し、相互に有益な関係を築いている。本種と菌根を形成する菌類は7種類とも、16種類以上とも言われている。いくつかある菌根菌の中でも特にショウロ (Rhizopogon rubescens)とホンショウロ (R. luteolus)はマツの伸長成長、マツへの栄養分供給能力において最も優れているという。 一方でマツに害を与える菌も多い。マツ類、トウヒ類、モミ類など各種針葉樹を侵し、欧米で大きな問題になっているマツノネクチタケ (Heterobasidion annosum) による被害は本種でも発生している。マツノネクチタケと並ぶ病原菌であるナラタケ類 (Armillaria spp.)によるならたけ病はナラ類と混生しているところでは被害があるものの、本種はあまり侵されないという。 カリフォルニアではフザリウムの一種Fusarium circinatumによるマツ類漏脂胴枯病(英名:Pine Pitch Canker)が大きな問題になっている。 マツ材線虫病(マツ枯れ)の原因となるマツノザイセンチュウ (Bursaphelenchus xylophilus) に対しての抵抗性については、感受性が高く枯死しやすいという報告と、かなり抵抗性があるという報告が混在している。 ショウロ 漏脂胴枯病により枝葉の枯死が見られるモンチコラマツ P. monticola マツノネクチタケ
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微生物との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 08:51 UTC 版)
他のマツ同様に根において菌類との共生関係を結び、外生菌根を形成する。本種と共生する菌類としてベニハナイグチ (Suillus pictus) が知られている。この菌は本種だけに限らずアカマツ (Pinus densiflora) やクロマツ (P. thunbergii) とも菌根を形成できる。
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