ナラタケ
別表記:楢茸
ナラタケ(楢茸)はキシメジ科ナラタケ属に分類される茸類。「ナラタケ病」の病原として知られ、食用キノコとして重宝されてもいる。生食は中毒症状を発する危険があるため推奨されない。
ナラタケの傘はハチミツを想起させる黄味がかった褐色をしており、英語では honey mushroom(ハニーマッシュルーム)と呼ばれている。ナラタケの一種であるオニナラタケの中には、生物の個体としては世界最大と推定されている個体がある。
ナラタケは春と秋に束生した個体を群生させる。広葉樹にも針葉樹にも、生木にも枯木にも付く。倒木にも付く。菌糸は植物の根のような形状(根状菌束)を形成し、地中を伝って樹木の根へと侵入、寄生する。根状菌束に寄生された樹木は徐々に弱っていき枯死に至る。この病害性は「ナラタケ病」と呼ばれる。
ナラタケは美味な食用キノコとしても知られており、日本国内では東日本を中心にさまざまな地方名で呼ばれている。出汁が良く取れるキノコであり、主に鍋や味噌汁などの汁物料理の具として親しまれている。基本的に可食とされるものの、生食には適さず、加熱しても中毒症状を引き起こす場合があるとされる。また、コレラタケ(ドクアジロガサ)をはじめとする猛毒のキノコと外見が類似しており、山野で採取する際に混同する危険がある。
なら‐たけ【×楢×茸】
楢茸
ナラタケ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 23:07 UTC 版)
ナラタケ(楢茸[1]、学名: Armillaria mellea subsp. nipponica)はハラタケ目キシメジ科ナラタケ属に分類され、主として植物寄生菌として生活している中型のキノコ。ユーラシアと北アメリカ、アフリカに分布する。主に秋の広葉樹の枯れ木やその周辺の地上に群生する。傘は黄褐色や淡黄色で中央に細かい鱗片と周囲に条線があり、ヒダが白色、柄にはしっかりした白いツバがあるのが特徴。日本では食用キノコとして人気があり数多くの地方名でよばれるが、生食すると食中毒を起こすことがある。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 吹春俊光 2010, p. 30.
- ^ a b c d e f g h i j k l m 瀬畑雄三監修 2006, p. 97.
- ^ a b c d e f g h 牛島秀爾 2021, p. 88.
- ^ ナラタケ分離系統の腐生力と寄生力の比較(第75回日本林学会大会講演要旨)日本林學會誌 Journal of the Japanese Forestry Society 46(3) pp.111-112 19640325 日本森林学会
- ^ ナラタケ属のきのこ(Armillaria spp.) (PDF) 特許庁
- ^ a b c d e f g 長沢栄史監修 2009, p. 102.
- ^ 工藤伸一・長沢栄史(2004)青森県で再発見されたヤチヒロヒダタケ Armillaria ectypa について. 財団法人日本きのこセンター菌蕈研究所研究報告41, p.26-34.
- ^ 吹春俊光ら(2021)食中毒事故の原因となった日本新産 Galerina sulciceps(ヒメノガステル科).日本菌学会第65回大会セッションID: P18. doi:10.11556/msj7abst.65.0_68_2
- ^ 青森県健康保険福祉部保健衛生課長(2023年)食中毒の発生について. 令和5年9月28日付青保号外, 青森県庁
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