オニフスベ
別表記:鬼燻
オニフスベ(鬼燻)はハラタケ科の大型のキノコ。大きな白い球のような外観や、一夜にして忽然と現れたかと思わせるような成長速度で知られる。山林に限らず人家の庭や藪などに発生することもある。
オニフスベは、傘や柄といった典型的なキノコの形にならず、白い球形の塊のまま膨張してゆく。その大きさは直径20~30センチ以上、固体によっては直径40~50センチほどに成長することもある。ある程度大きくなると球形が多少いびつになる。このような塊が人家の庭先の草むらに一夜で生じることがある。そのため、夜のうちに誰かが白骨化した人間の頭骨を遺棄していったのかと見紛われることがままある。
オニフスベは食用に適する(食べられる)。ただし特に美味というわけではないとされる。子実体が若いうちは独特の食感が楽しめる。成熟が進むと子実体の内部の崩壊が進んでグズグズになり、とても食べられたものではなくなる。子実体が崩壊して粉末状の胞子となり、やがて表皮まで破れると、胞子が風に乗って飛散する。
オニフスベの仲間は世界の広い範囲で見られるが、それらは近縁種であって同一種ではない。日本でオニフスベと呼ばれる(日本に生息する)種は、学名をCalvatia nipponicaといい、日本固有種とされる。ちなみに、英語では(欧米に生息する近縁種を)Giant puffballという。puffballは「ホコリタケ」を指す呼び名である。オニフスベは従来はホコリタケ科に区分されていたが、近年では別種として再区分されている。
おに‐ふすべ【鬼×燻】
於爾布須倍
鬼燻
鬼燻
鬼贅
オニフスベ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/15 07:07 UTC 版)
オニフスベ(鬼燻、鬼瘤、学名:Calvatia nipponica)はハラタケ科のキノコ。「フスベ(贅)」とはこぶ・いぼを意味する。別名:薮玉(ヤブダマ)、他にヤブタマゴ、キツネノヘダマ、テングノヘダマ、ホコリダケなど。江戸時代は、他のホコリタケ類とあわせ馬勃(バボツ)とも呼ばれた。
- ^ Coetzee, Johan C and van Wyk, Abraham E (2007). “(1770) Proposal to conserve Calvatia nom. cons.(Basidiomycota, Lycoperdaceae) against an additional name, Lanopila”. Taxon 56 (2): 598-599 .
- ^ おにふすべ 日本テレビ
- ^ 根田仁 『きのこミュージアム』 八坂書房、2014年、pp37-40
- ^ オニフスベ・ホコリタケの話 独立行政法人 森林総合研究所九州支所 特用林産研究室
- 1 オニフスベとは
- 2 オニフスベの概要
- 3 参考文献
固有名詞の分類
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