市場での評価
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「ジャン=フランソワ・ミレー」の記事における「市場での評価」の解説
ミレーが1860年に1000フランで売却した『晩鐘』は、転売が重ねられ、1872年には画商ポール・デュラン=リュエルがブリュッセルの収集家に3万8000フランで売っており、ミレーの生前に38倍にも高騰した。1889年、収集家セクレタンの売立ての対象となり、フランス政府とアメリカ美術協会(英語版)が激しく競り合った。フランスの美術大臣アントナン・プルーストが55万3000フランで落札したが、余りの高値に議会が支払を拒否し、アメリカ美術協会が手にした。しかし、1890年にパリのルーヴル百貨店 (fr) 社長アルフレッド・ショシャールが80万フランで買い戻し、1909年にフランス政府に遺贈されるに至った。19世紀末には、ミレー1点が数十万フランから100万フラン超で取引される状態であった。 1887年には、エコール・デ・ボザールでミレーの大規模な回顧展が開かれ、1889年には、パリ万国博覧会でフランス絵画の巨匠として紹介され、代表作が展示された。 20世紀になると、印象派、ポスト印象派に人気が集まったこともあって、1945年の売立てで『種まく人』が2万6000ドルといったレベルで、低めに落ち着いていた。しかし、1960年代に再び上昇を始め、1976年のニューヨーク・サザビーズで『接ぎ木する農夫』が36万ドル、1977年のニューヨーク・サザビーズで『種まく人』が30万ドルといった高値で落札された。後者は、間もなく7500万円で山梨県立美術館の所蔵となった。1978年のニューヨーク・サザビーズでは、『箕をふるう人』が60万ドルで落札された。1986年には、ニューヨーク・サザビーズで『種まく人』のパステル、チョーク作品が72万5000ドルという高値で落札された。もっとも、印象派と比べればかなり低額にとどまっている。美術市場では名品は既に払底した状況である。
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市場での評価
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マネの生前の1878年、ジャン=バティスト・フォールが資金難によりオテル・ドゥルオ(英語版)でマネの作品を競売に出した時、1点が2000フラン(80ポンド)で売れただけで、その他は売れなかった。エルネスト・オシュデが破産して同じ年にマネの作品を競売に出したが、1点当たり35フランから800フランの間でしか落札されなかった。 死の翌年1884年の回顧展後、オテル・ドゥルオでその作品の多くが競売されたが、『オランピア』が400ポンド(1万フラン)、『アルジャントゥイユ』が500ポンド(1万2500フラン)というのが高い方で、油絵93点ほかパステル画、水彩、デッサン、エッチング、リトグラフの総売上は4665ポンド(11万6637フラン)と、マネ家の期待を大きく下回った。落札者も大部分が遺族と友人であった。 マネの市場価格は、徐々に上がり、1898年、『ギターを持つ女』が2800ポンド(7万フラン)で売られた。1910年以降、マンハイム市立美術館が『皇帝マキシミリアンの処刑』を4500ポンドで購入するなど、ポンドで4桁台が常態となり、1920年代にはポンドで5桁台のものも現れるようになった。1926年には、サミュエル・コートールド(英語版)が『フォリー・ベルジェールのバー』を2万4100ポンド(手数料込み)で購入し、第二次世界大戦前のマネの最高記録となった。 第2次世界大戦後は、ポンドで5桁台が常態となり、1958年に『旗で飾られたモニエ通り』が11万3000ポンドで落札され、ポンド6桁台が現れるようになった。それでも、ルノワールに比べると、市場での人気は高くなかった。ところが、1980年代以降、美術市場全体で良品が払底するに従い、マネ作品の価格は更に高騰した。1986年12月1日、ロンドンのクリスティーズで『舗装工のいるモニエ通り』が700万ポンド(1017万ドル、16億5410万円)という高値を記録した。1989年11月14日、ニューヨークのクリスティーズで、『旗で飾られたモニエ通り』がJ・ポール・ゲティ美術館によって2400万ドル(34億7520万円)で落札され、マネの史上最高値を更新した。1997年には、『パレットを持った自画像』が1700万ドル(20億3320万円)という2番目の高値で落札された。同じ『パレットを持った自画像』が2010年にロンドンで3320万ドルで落札されて更に記録を更新したが、2014年、ニューヨークのクリスティーズで『春(ジャンヌ)』が6512万ドル余りでJ・ポール・ゲティ美術館に落札されたのが新たなマネ最高記録となった。
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