リスクの回避
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/06/17 03:02 UTC 版)
「マーケットブリーダー」の記事における「リスクの回避」の解説
マーケットブリーダーが仔馬を1歳で売却する場合、繁殖牝馬に交配を行う時点を投資の開始とすると、回収が行われるのは2年ほど先のことである。この間に起こりうる回収不能リスクは大きく分けると2種類ある。 1つ目は努力によって管理を行うことでリスクを軽減できるもので、交配によって牝馬が妊娠に至らない、死産や流産、仔馬の疾病などである。現在は、これらのリスクを受け持つ保険も存在し、これに加入することでさらにリスクを軽減することが可能である。 2つ目はマーケットブリーダーの側ではコントロールできないもので、競走馬の市場価格の変動である。競走馬の市場価格は、その馬が競馬でどのぐらい稼ぐであろうという期待値をもとに形成される。多くの場合、似たような血統の競走馬が現に競馬においてどのぐらい稼いでいるかが、期待値を計算する根拠となる。まだ似たような血統の競走馬が競走年齢に達していない場合、市場価格はきわめて投機的なものとなる。 素晴らしい成績を収めた名競走馬が引退して種牡馬となってから、その仔が競馬に出て市場での評価が定まるまでには最短で3年から4年を要する。マーケットブリーダーは、所有する繁殖牝馬の交配相手に、評価が定まる前の種牡馬を選択する場合、生まれた仔馬が売却可能な年齢に達する前に、その仔馬の市場価格が暴落し、当初の種付料や育成費用などのコストを下回るリスクを負う。 したがってマーケットブリーダーは、交配を行う時点で、2から3年先の販売価格を考慮に入れた上で、交配相手の種牡馬を選択する必要があり、彼らが生産するサラブレッドは市場の人気を反映したものとなる。
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