山中越とは? わかりやすく解説

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山中越

読み方やまなかごえ

今路越いまみちごえ)とも志賀の山越ともいう。大津市滋賀里から山中町経て京都北白川へ至る道。大津京都を結ぶ近道間道)として平安時代から利用されてきた。道沿いには志賀の大仏など見るべきものが多い。志賀峠までは、ハイキングコースとして整備されている。

交通アクセス

大津側の入口へは京阪電車石坂線滋賀里駅下車山手に道あり

関連事項

志賀の大仏 重ね石 



京都府道・滋賀県道30号下鴨大津線

(山中越 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/26 13:23 UTC 版)

主要地方道
京都府道30号 下鴨大津線
滋賀県道30号 下鴨大津線
主要地方道 下鴨大津線
地図
制定年
起点 京都府京都市左京区下鴨泉川町【北緯35度2分3.0秒 東経135度46分16.5秒 / 北緯35.034167度 東経135.771250度 / 35.034167; 135.771250 (府道30号起点)
終点 滋賀県大津市二本松【 北緯35度01分41.0秒 東経135度51分55.8秒 / 北緯35.028056度 東経135.865500度 / 35.028056; 135.865500 (県道30号終点)
接続する
主な道路
記法
京都府道32号下鴨京都停車場線
国道161号
滋賀県道47号伊香立浜大津線
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

京都府道・滋賀県道30号下鴨大津線(きょうとふどう・しがけんどう30ごう しもがもおおつせん)は、京都府京都市左京区から滋賀県大津市に至る主要地方道に指定された府県道である。

概要

古くからある街道であり、特に山間部については志賀越道(しがごえみち)、山中越(やまなかごえ)などとも呼ばれるほか、かつては今道越、安土海道などとも呼ばれていた。

京の七口の一つ、荒神口から近江国に至る古くからの街道である志賀越道の一部を継承した路線である。このため、さまざまな名称が現在まで残っている。

路線データ

全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML

歴史

古くからある街道で、志賀越道、白川街道[2]、白川越[3]、安土海道[3]などの名称が残る。滋賀郡山中村(現在の大津市山中町)でを越えることから山中越(山中越え)、かつては如意越[注釈 1]に対する新道という意味から今道越とも呼称されており、京都から坂本北陸道への利便性が高い道として認知されていた[4]という。

1934年昭和9年)に自動車が通過できる道路が京津間で開通した[5]

現代においては、道路法(昭和27年法律第180号)第7条の規定に基づき、当初は一般府県道として認定された。同法第56条の規定に基づき、1971年の第3次主要地方道指定時に建設省(当時)から主要地方道として指定された。

京都市内部分の交通緩和のため、1973年(昭和48年)5月に京都市左京区修学院大林町(白川通北山交差点付近)から滋賀県境付近まで延長3.1kmのバイパス建設が計画されたことがあるが、地元の強い反対で撤回された[6]

年表

  • 1958年(昭和33年)7月26日 - 滋賀県が一般県道318号大津下鴨線として県道路線認定[7]
  • 1959年(昭和34年)12月18日 - 京都府が下鴨大津線(左京区下鴨宮河町 - 大津市)として府道路線認定。整理番号は一般地方道2号[8][注釈 2]
  • 1971年(昭和46年)6月26日 - 建設省が府県道下鴨大津線を主要地方道に指定[9]
  • 1972年(昭和47年)3月21日 - 滋賀県が現行の路線名に改称し、路線番号を346に改番する[10][注釈 3]
  • 1972年(昭和47年)3月28日 - 京都府が主要地方道の認定路線表に49号として加える[11]とともに、一般地方道の認定路線表から2号を削除[12]
  • 1983年(昭和58年)2月1日 - 京都府が路線番号を主要地方道30に変更[1]
  • 1990年(平成2年)9月17日 - 滋賀県が路線番号を30に変更して京都府と統一[13]
  • 2002年(平成14年)7月15日 - ドリフト走行を封じるため大津土木事務所が滋賀県側の頂上付近300mの区間にグルービング舗装を施工[14]
  • 2021年(令和3年)8月14日 - 滋賀県側で集中豪雨。片側1車線が約15mにわたって陥没したほか、倒木が道路をふさぎ通行止めとなった。同月16日までに片側一車線で復旧[15]

路線状況

北白川の山間部、地蔵谷町近辺。ほどなく滋賀県大津市となる。
山中町の山間部(山中越)

比叡平および比叡山頂・延暦寺と京都・大津両市方面の間には路線バスが運行[注釈 4]されている。府県境を中心に8.5 kmの異常気象時通行規制区間が存在するため、大雨の際には走行に注意を要する。 また、降雪時にはノーマルタイヤ(非スタッドレスタイヤ)による走行は難しくなり、県境付近が通行止になることもある[16]

通称・バイパス

志賀越道や山中越の通称については#歴史セクションを参照のこと。

御蔭通
起点から北白川山ノ元町までの京都市内の東西の通り。通りの東端で志賀越道と接しており、このうち大津方面が府道の経路となっている。
山中バイパス
大津市山中町の集落を貫く旧道に代わるバイパス道路として整備[17]された。
神宮道
近江神宮前から柳ヶ崎交差点にかけての名称。近江神宮の創建とともに付近を流れる柳川をつけかえ、旧柳川を道路化したもの。1945年までにアメリカ陸軍がまとめた1930年代の大津市街の地図にも現在の神宮道が堤防を持った河川として描かれ、江若鉄道の線路が旧柳川を橋で渡っているのが確認できる。[18]

重複区間

交通量

2005年度(平成17年度道路交通センサスより)
平日24時間交通量(台)

  • 大津市比叡平三丁目:5,554

異常気象時通行規制

山中越に府県境を跨いで通行規制区間が存在する。管理者と規制内容が異なるため、分けて記述する。

京都市左京区北白川琵琶町 - 京都市左京区北白川重石町(延長2.0 km)
2012年7月24日から連続雨量130mmで通行止に改訂された。規制解除条件は、1時間あたりの降雨量0mmが4時間継続した場合[19][20]としている。
大津市山中町 - 南志賀1丁目(延長6.5 km)
連続雨量90mmで通行止となる。規制解除条件は、1時間あたりの降雨量2mm以下が3時間継続した場合[21][20]としている。

地理

府県境(滋賀県から京都府に向けて撮影)

府県境近くに造成された新興住宅地である比叡平は田ノ谷峠附近の山上に位置し、大津市街地側には琵琶湖と大津市街を臨む夜景を眺めることができる場所が点在している。

通過する自治体

交差する道路

沿線

主な峠

田ノ谷峠
大津市山上町にある標高370mの峠[22]で、京都市と大津市の両市街地からそれぞれ約300m登った地点にある[23][24]。なお、府県境はここより白川を京都市方面へ下り、山中町の集落を通過した先にある。

その他

『北白川こども風土記』p.62に、この道を題材に詠まれた和歌が紹介されているので、引用、紹介する[25]

  • 春風の花のにしきにうずもれて 行きもやられぬ志賀の山越 (西行)
  • 袖の雪そら吹く風もひとつにて 花に匂える志賀の山越 (定家)

脚注

注釈

  1. ^ 山中村より園城寺(三井寺)に通じていた道。如意ヶ嶽も参照。
  2. ^ 京都府の一般府道は、1994年4月1日に再編されるまで1から起番しており、主要地方道と重複する番号も存在していた。
  3. ^ 滋賀県の主要地方道は、1990年9月17日に再編されるまで300番台の路線番号が使われており、一般県道と重複する番号も存在していた。
  4. ^ 京阪バスおよび京都バスにより運行。

出典

  1. ^ a b c d “府道路線の認定に関する告示等の一部改正(昭和58年京都府告示第65号第1条)”, 京都府公報 (京都府) 第5720号: pp. 82-84, (1983-02-01) 
  2. ^ 『北白川こども風土記』p.57
  3. ^ a b 山中越”. 京都観光Navi. 2013年10月6日閲覧。
  4. ^ 『新註 近江輿地志略 全 改訂校註』 - 宇野健一 編、弘文堂書店 刊(1976年9月) p.184 (原典は、18世紀に膳所藩士の寒川辰清によって著された『近江輿地志略』(参考:近江輿地志略 (寒川辰清自筆本)1 - 滋賀県教育委員会)。)
  5. ^ 滋賀県史編さん委員会 1980, pp. 1129–1130.
  6. ^ 建設局小史編さん委員会『建設行政のあゆみ : 京都市建設局小史』京都市建設局、1983年。 
  7. ^ 昭和33年7月26日滋賀県告示第291号
  8. ^ “府道路線の認定(昭和34年12月18日京都府告示第858号)”, 京都府公報 (京都府) 号外: pp. 13-21, (1959年12月18日) 
  9. ^ “道路法第五十六条の規定に基づく主要な都道府県道及び市道 (昭和46年6月26日建設省告示第1069号)”, 官報 (国立印刷局) 号外第82号: pp. 2-34, (1971年6月26日) 
  10. ^ 昭和47年3月21日滋賀県告示第104号
  11. ^ “府道路線の認定に関する告示等の一部改正(昭和47年3月28日京都府告示第164号)”, 京都府公報 第4616号: p. 214, (1972年3月28日) 
  12. ^ “府道路線の認定に関する告示等の一部改正(昭和47年3月28日京都府告示第165号)”, 京都府公報 第4616号: p. 214, (1972年3月28日) 
  13. ^ 平成2年9月17日滋賀県告示第391号
  14. ^ ドリフト族を封じ込めるにはドリフトできない道路にすれば良い---当然だけど”. レスポンス (2002年7月16日). 2022年2月5日閲覧。
  15. ^ 【大雨】山中越えで道路が15メートル陥没、通行止め 滋賀”. 京都新聞 (2021年8月14日). 2022年2月5日閲覧。
  16. ^ 【大雪】大津市の「山中越え」通行止めに 立ち往生の影響”. 京都新聞 (2023年1月24日). 2023年1月25日閲覧。
  17. ^ 山中バイパス開通:写真で見る滋賀の20世紀”. 滋賀県. 2016年6月20日閲覧。
  18. ^ JAPAN CITY PLANS 1:12,500”. University of Texas Libraries. 2021年12月26日閲覧。
  19. ^ 主要府道下鴨大津線(通称山中越)に係る異常気象時通行規制基準の改定について”. 京都市建設局道路河川管理課. 2012年8月23日閲覧。
  20. ^ a b “「山中越え」の通行止め雨量、基準引き下げ”. 京都新聞. (2012年7月20日). http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120720000162 2012年8月23日閲覧。 
  21. ^ 道路情報”. 滋賀県. 2012年8月23日閲覧。
  22. ^ ウォッちず 北緯35度2分0.1秒 東経135度50分12.6秒 - 国土交通省国土地理院(2012年8月23日閲覧)
  23. ^ ウォッちず 北緯35度1分58.9秒 東経135度47分19.7秒 - 国土交通省国土地理院(2012年8月23日閲覧)
  24. ^ ウォッちず 北緯35度1分41.8秒 東経135度51分55.3秒 - 国土交通省国土地理院(2012年8月23日閲覧)
  25. ^ 北白川小学校編 『北白川こども風土記』 1959年、山口書店

参考文献

  • 滋賀県史編さん委員会『滋賀県史 昭和編 第四巻商工編』滋賀県、1980年3月31日。 

関連項目

外部リンク


山中越

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 07:18 UTC 版)

東山 (京都府)」の記事における「山中越」の解説

左京区北白川から、瓜生山大文字山間の山中越経て大津市志賀に至る。京都府道・滋賀県道30号下鴨大津線志賀越の道とも呼ばれる途中比叡平住宅地があり、比叡山頂に向かう比叡山ドライブウェイ分岐する

※この「山中越」の解説は、「東山 (京都府)」の解説の一部です。
「山中越」を含む「東山 (京都府)」の記事については、「東山 (京都府)」の概要を参照ください。

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