小説『白旗の少女』とは? わかりやすく解説

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小説『白旗の少女』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 14:50 UTC 版)

白旗の少女」の記事における「小説『白旗の少女』」の解説

挿絵依光隆担当その他に写真多く収録されている。 冒頭は、主人公ニューヨークで平和行進参加するところから始まる。そこで彼女は写真家を捜し始めたその後写真家面会するところから回想に入る。 彼女は首里生まれ平和に暮らしていた。そこでは沖縄伝統強く残した生活のことが語られている。その中で1944年昭和19年)、母が亡くなる。1945年昭和20年)にはいよいよ沖縄戦線近づくその41日沖縄本島中部アメリカ軍艦砲射撃加え、それと思われる音は首里にまで響いた。それから1か月すると、家の周辺にも砲弾がくるようになり、防空壕避難することが多くなった。5月10日ころ、父親が「何かあったら子供たち判断して行動するように」と言い残して家を出て、これが父との別離になった。 それから3日待って通信隊へ父の安否を尋ねると、「それより早く南へ避難するよう」と言われ兄弟姉妹4名(姉17歳、姉13歳、兄9歳本人6歳11か月)は荷物まとめて家を出た昼間洞穴などに身を隠し夜間歩いた。まずは父の消息尋ねて真壁に行くがやはり不明で、それ以降当てもなくとにかく南へ移動する。そのさなか、米須一緒にいた兄が流れ弾当たって死亡、さらに南へ移動するさなか、主人公は姉たちとはぐれてしまう。それから彼女は1人避難行を続けることになる。 夜道逃亡する際、姉2人とはぐれてしまい、たった1人になった女に頼りになるものはなにもない記憶残っている肉親言葉をたよりに戦場さまよう必要なもの食料の他、肉親愛情である。ひとりでガマ入っていこうとしても追い払われてしまう。子供大きな声を出したりするため、敵兵狙われてしまうからだ。 彼女は父の言っていたことをいろいろと思い出しながら行動している。「人間というものは、死ぬ運命にあるときは、どこにいても死ぬものだ。生きるときは、どんな危険にさらされても、生きるものだ」という言葉思い出すと、砲弾銃弾避けるため、必死に洞穴探すことをやめて平気で外を歩き回ったりする。ガマからガマへ「ネエネエ(お姉さんいる?)」と声をかけて回る。そのため「ヤナ、ウーマク、イナグワラビ(わるくて、きかんぼう女の子)」という評判立った住民の敵はアメリカ軍だけでなく、日本軍も敵と言ってもよい存在であった日本兵沖縄人々守ってはくれなかった。彼女は日本兵軍刀斬りつけられようとさえした。死んだ日本兵はなんども目にし怖くはなかったが、生きている日本兵恐ろしい存在だった。 動物教えられたことも何度かある。が行列を作っている場面出くわすその先に何かがあるのかを感じる。見届けようと先に進むと、日本兵倒れていて背負っている雑のう群がっている。雑のう中に金平糖を見つける。缶詰見つけたときは開け方を知らないままに石や木の枝中身取り出したりしている。小さな抱えたネズミからそのもらったこともある。砲弾怯えたウサギを見つけると、親しかった兄の身代わりとして「ニイニイ」と名前を付けてしばらくともに過ごす。彼女は愛情飢えていたのだ。 そうして彼女は多く戦死者自殺する兵隊集団自決する住民などを目にしながらさまよい、あるガマでは日本兵殺されかける。一人きりでの移動1か月ほどになったとき、とあるガマ入ったところ、そこには老夫婦こもっていた。その老人両手両足がなく、目の不自由な老婆身の回り世話をさせ、その洞窟暮らしていた。彼らは彼女を優しく受け入れ、彼女はここで初めてその身を休めることが出来た。その外では、戦闘刻一刻激しくなっていた。彼女は老夫婦にここで一緒に暮らして一緒に死にたいと言ったが、それに対して、命の大切さ生き延びることの価値説かれる数日後洞窟の外からアメリカ軍呼びかけ聞こえたこれから爆弾投げ込むから、その前に投降することを呼びかけるのだった老人老婆指示し自分ふんどし白旗を作らせ、その旗を彼女に持たせた。そして「世界中約束だから、これを持ってれば大丈夫だと言い聞かせ自分たちを残して1人投降するよう促した。 彼女はほかの住民混じって進んだ1人米兵が何かを構え、こっちをねらうようにしているのを見てカメラのようだが、武器かも知れない思いながら、かつての父に言われ言葉思い出し、顔を上げ笑顔見せた。彼女はほかの避難者一緒になり、そこで2人の姉に再会した1945年6月25日のことだった。

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