小惑星近接運用(2018年)
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「はやぶさ2」の記事における「小惑星近接運用(2018年)」の解説
2018年6月27日、小惑星リュウグウの上空20 kmの位置に到着した。 2018年9月21日、探査ローバーのミネルバ-II1を地表に向けて投下。投下されたローバーは2台で、いずれも着地に成功するとともに、少なくとも1台がリュウグウ地表をジャンプして移動したことも確認された。着地後、ローバーは投下直後のはやぶさ2や、ジャンプ中に撮影したリュウグウ地表の写真を、上空20 kmのはやぶさ2に送信した。小惑星上で探査機が着陸・移動・写真撮影に成功したのはいずれも世界初である。 2018年10月3日10時57分 (JST) 頃、MASCOTを投下した。約6分後にリュウグウに接触し、バウンドを経てさらに約11分後に着地も成功した。ジャンプによる場所移動を含む17時間を超える観測活動を行い、MASCOTの運用を終了した。 2018年11月5日11時37分 (JST) 頃、ターゲットマーカーBが切り離され、着陸候補地L08-Bの中心から15.4 m離れた所に着地。 2018年11月23日、太陽との合により通信が困難となる期間にビーコン運用を行う「合運用」を開始し、リュウグウから最大100 km離れる軌道に入り、ゆっくり離れ始めた。 2018年12月13日、JAXAは会見でミネルバ2-1のステレオ画像を含む新たな画像を公開した。また正式名称について1Aが「イブー (HIBOU)」、1Bが「アウル (OWL)」と発表した。いずれも神話でミネルバと関わりのあるフクロウに因む。それぞれ113日と10日の活動が確認されており、その後は日陰に入って休止中と推定された。またその間カメラの画像に全く汚れが確認できなかったことから、リュウグウ表面に砂は無いと結論付けられた。 2018年12月29日、合運用を終了して通常の運用を行った。なお正月3が日は運用を休止していた。
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小惑星近接運用(2019年)
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2019年2月22日7時29分 (JST) 頃、「リュウグウ」への1回目の着陸に成功した。この日は、はやぶさ2開発に尽力したJAXA宇宙科学研究所助教であった飯島祐一(故人)の誕生日だった。 2019年3月5日、前述の寄付金により取り付けられた岩石採取確認用カメラの映像が公開され、充分な量のサンプル採取ができたように見えることから着陸を2回に減らす方針が示された。 2019年4月5日11時 (JST) 前、衝突装置 (SCI) と小型カメラ (DCAM3) を分離した後、リュウグウの反対側に退避し、DCAM3による衝突の噴出物の撮影により衝突装置の作動を確認することに成功した。 2019年4月25日、衝突地点を観測し、人工クレータの存在を確認。 2019年5月16日、低高度に降下して人工クレーター付近の調査を行おうとしたものの、高度約50 m付近でLIDARの受信感度切替時にノイズを拾い異常を感知したため、自律判断で上昇した。この時のターゲットマーカー投下は中止された。接近時に詳細な映像は得られた。 2019年5月30日、高度10 mまで降下し、ターゲットマーカーAの投下に成功した。 2019年6月11日から6月13日にかけて、低高度運用で人工クレーター付近を詳細観測。最有力候補地点に充分に近い場所に投下されていたため新たなターゲットマーカーは投下しなかった。 2019年6月25日、2回目の着陸計画について発表された。人工クレーター内部ではなく、人工クレーターから飛び散った、クレーター周辺の物質を採取すると決定した。 2019年7月11日、2回目の着陸を行い、サンプル採取のシーケンスを実施した。 2019年8月2日、ミネルバ-II1ローバー1Bことアウルが冬眠から目覚め、13時15分 (JST) 頃から10分間テレメトリを取得。 2019年8月26日、サンプル採集容器が再突入カプセルに収納された。 2019年8月29日、予備の4個目のリアクションホイールのテスト中にトルク異常を検知したため、自律的にセーフホールドに移行してリュウグウから離れた距離へ退避した。8月30日の運用でセーフホールドから復帰させており、少なくとも常用している3個のリアクションホイールやセーフホールドの挙動は正常とされた。この影響によりリュウグウに再接近する必要が生じ、9月5日に予定されていたターゲットマーカーの分離運用を延期した。 2019年9月12日、ターゲットマーカー分離運用(降下)を開始。9月17日にリュウグウ上空 1 km でターゲットマーカーE,Cをそれぞれリュウグウの赤道軌道と極軌道に載せて分離。9月23日ごろにかけて落下するまでの様子を上空 20 kmから光学観測した。これらには、世界初の人工衛星シリーズにちなんだ名が付けられ、ターゲットマーカーCはCに似たロシア語のС (エス) で始まるスプートニク (Sputnik/Спутник) 、Eはエクスプローラー (Explorer) と名付けられた。 2019年10月3日、ミネルバ-II2をリュウグウの上空 1 km から赤道を周回する軌道に載せて分離。当初の予定では8周ほど周回する計画だったが、カバー分離の反動で25°ほどの誤差が生じ、約22時間で1周あまり周回してリュウグウに着地した。
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