対象地区・内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:03 UTC 版)
「日本における衛星放送」の記事における「対象地区・内容」の解説
放送には限定受信システム「B-CAS」によるスクランブルがかかり、総務省と全国地上デジタル放送推進協議会が指定した対象地区から申請することで対象の放送局の放送のスクランブルが解除され視聴できるようになる。放送を視聴できる地区はデジタル放送への移行に伴って地形的要因や混信により難視聴となる地区であり、視聴できる番組は難視聴となる放送に対応する東京地区(キー局)の地上デジタル放送の放送番組である(ただしNHKはアナログ・デジタルにかかわらず、難視聴対策を実施する義務があると明記されていることからすべての対象地区で視聴できる)。 対象地区と視聴できる局(番組)は「地デジ難視対策衛星放送対象リスト(ホワイトリスト)」に掲載。対象地域外ではBS291ch - 298chを選局しても「この放送は、地デジ難視対策衛星放送です。」という案内メッセージ、または「このチャンネルはありません」との旨のメッセージが表示され視聴できない(機種による。特に後者はケーブルテレビのセットトップボックスで視聴する場合に表示される。市販のBSデジタル受信機でも、「地デジ難視対策衛星放送」の受信に対応していない場合には表示される)。ただし、案内が表示されるBS890chは対象地域外でも視聴できた。テレビの機種によっては、難視対策衛星放送を利用するかの設定もあり、利用しない場合はチャンネルが選局できないようになる。この視聴制御管理業務、契約者管理業務、利用者電話対応はWOWOWに委託されている。2010年12月時点では、石川県と富山県は対象となる地区がない(ほとんどの地域で中継局の整備が行われたため)。 対応するキー局のない独立局は、地デジ難視対策衛星放送の対象とはならない。また、対応する民放キー局の系列局がある場合でもその放送局が放送対象地域内でありながら中継局未設置で地上アナログテレビ放送も難視聴・受信不可となっている地域は、基本的に地デジ難視対策衛星放送の対象とはならない。一例としては、アナログ中継局未設置の道東・道北地区におけるテレビ北海道のキー局のテレビ東京がある。一部の放送事業者については放送対象地域であってもアナログ中継局が整備されていない地区があるが、その地域では地デジ難視対策衛星放送によっては当該放送事業者に対応するキー局の番組は視聴できない場合がある。例えば、北海道を放送対象地域とするテレビ北海道では北東部の一部にアナログ中継局が整備されていない(他の5放送事業者の6チャンネルは整備されている)地区があるがそのような地区には地デジ難視対策衛星放送によってはテレビ東京の番組は視聴不可能なところもある。この場合、エリア内とエリア外の境目である上川総合振興局管内の上川町・和寒町・士別市、留萌振興局管内の初山別村では同一の市町村であってもテレビ東京の番組が視聴可能な地域と視聴不可能な地域が混在している。 マルチ編成の場合はメイン(BS 29*ch=地上D 0*1ch)の番組のみ送信(準キー局からの裏送りも)。標準画質放送で、データ放送・双方向サービスはなし。字幕放送は行われる。EPGについては当初各局ごとに送信するとされていたが、2008年5月の追加検討結果では番組内容の表示は行わないなど表示を簡素化した上で全局EPGに変更された。 番組編成・放送内容は関東ローカルと同じ内容となり、関東広域圏以外の地域では地元局のローカル番組(NHK総合は裏送り送出番組も)は視聴できない。放送形態としては地上波・BS・CSでサイマル放送されていた放送大学、かつておこなわれていたNHK-BSアナログ放送の試験放送、小笠原諸島(東京都)と大東諸島(沖縄県)向けに行われていたNHKと民放在京キー局の地上波再送信などに近い。 地方局によっては同時間帯で行う放送内容が異なるため、同じ地域内でも視聴可否で問題が起きる可能性がある(民放で多くなっているが、NHKは逆に少ない)。たとえば、キー局の関東がA番組の放送を行い地方局でB番組を放送していた場合、地デジ難視対策衛星放送の対象地域は地上アナログ放送の終了までA番組とB番組が視聴可能になる(P&Gやコカ・コーラなどがナショナルスポンサーの番組のCMも同じ)。したがって地デジ難視対策衛星放送の対象地区のうち、民放が3局以下の地域では系列局のフルネットが視聴可能であることから視聴可能番組数が増加する。但し、未系列の放送局は視聴できない。 福井県、大分県、宮崎県でクロスネット局が受信できない場合は、基本的にメインとしている系列のみ視聴可能となっている(福井県の福井放送は日本テレビ、宮崎県のテレビ宮崎はフジテレビのみを、大分県のテレビ大分では日本テレビとフジテレビの両方を視聴可能としている)。 民放事業者が1局の徳島県・佐賀県並びに瀬戸内海の島しょ部など、他府県の放送を視聴することが一般的となっている地域では地デジ難視対策衛星放送で視聴可能とする民放キー局をどの範囲まで可能とするかについて地元地方自治体と民放事業者と総務省とで調整を行い、その地域のケーブルテレビの再送信状況等を踏まえた上で区域外波についても視聴可能とすることとされている。
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