対称代数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/11 14:41 UTC 版)
数学において、体 K 上のベクトル空間 V 上で定義される対称代数(たいしょうだいすう、英: symmetric algebra)S(V) あるいは Sym(V) は、V を含む K 上の自由可換単位的結合代数である。
対称代数の元は、座標の取り方に依らず V の元を不定元とする多項式に対応する。このとき、対称代数の双対 S(V∗) の元は V 上の多項式(函数)に対応する。
対称代数と V 上の対称テンソル空間とを混同してはならない。
対称代数の構成
対称代数 S(V) は V の基底ベクトルを不定元とする K 上の多項式環と実質的には同じものであることがあとでわかる。したがって、ここでの構成は対称代数を「自然に」多項式と看做す立場であれば余計な情報でしかないということになるが、これはこれでよい面もある。
対称代数 S(V) を記述するのにテンソル代数 T(V) を利用することができる。実際にはテンソル代数を強制的に可換化することで対称代数を作ることができる。V のいくつかの元が(T(V) の中で積に関して)可換ならば、それらの間でできるテンソルに関してもそうであり、それゆえテンソル代数 T(V) を
- Bourbaki, Nicolas (1989), Elements of mathematics, Algebra I, Springer-Verlag, ISBN 3-540-64243-9
関連項目
対称代数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 10:15 UTC 版)
K –加群 E の対称代数 SE とは、可換な K –代数であって E からの K –線型写像をもち、次の条件を満たすもののことである:可換 K –代数 A への K –線型写像 E → A が与えられたとき、図式 E → A ↓ ↓ S E → A {\displaystyle {\begin{array}{ccc}E&\to &A\\\downarrow &&\downarrow \\\mathrm {S} E&\to &A\end{array}}} が可換になるような K –代数の準同型 SE → A が存在して一意に定まる。この条件によって対 (SE , E → TE ) は同型を除き一意に定まる。
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