小行列式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/29 10:22 UTC 版)
数学の線型代数学において、行列 A の小行列式(しょうぎょうれつしき、英: minor, minor determinant)とは、A から1列以上の行または列を除いて得られる小さい正方行列の行列式のことである。
正方行列から行と列をただ1つずつ取り除いて得られる小行列式(first minors; 第一小行列式)は行列の余因子 (cofactor) を計算するのに必要で、これは正方行列の行列式や逆行列の計算に有用である。
定義と説明
(i, j) 小行列式
正方行列 A の (i, j) 小行列式 (minor, first minor[1]) とは、第 i 行と第 j 列を除いて得られる小行列の行列式のことである。この数はしばしば Mi,j と書かれる。(i, j)余因子 (cofactor) とは、(i, j)小行列式に (−1)i+j を掛けて得られる値のことである。
例えば、次の 3次正方行列を考える:
(i, j) 小行列式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 06:50 UTC 版)
正方行列 A の (i, j) 小行列式 (minor, first minor) とは、第 i 行と第 j 列を除いて得られる小行列の行列式のことである。この数はしばしば Mi,j と書かれる。(i, j)余因子 (cofactor) とは、(i, j)小行列式に (−1)i+j を掛けて得られる値のことである。 例えば、次の 3次正方行列を考える: [ 1 4 7 3 0 5 − 1 9 11 ] {\displaystyle {\begin{bmatrix}1&4&7\\3&0&5\\-1&9&11\end{bmatrix}}} 小行列式 M2,3 と余因子 ~a2,3 を計算するため、上の行列から第2行と第3列を除いた小行列の行列式を求める。 M 2 , 3 = | 1 4 ◻ ◻ ◻ ◻ − 1 9 ◻ | = | 1 4 − 1 9 | = ( 9 − ( − 4 ) ) = 13 {\displaystyle M_{2,3}={\begin{vmatrix}\,\,1&4&\Box \,\\\,\Box &\Box &\Box \,\\-1&9&\Box \,\end{vmatrix}}={\begin{vmatrix}\,\,\,1&4\,\\-1&9\,\\\end{vmatrix}}=(9-(-4))=13} したがって (2, 3) 余因子は a ~ 2 , 3 = ( − 1 ) 2 + 3 M 2 , 3 = − 13 {\displaystyle {\widetilde {a}}_{2,3}=(-1)^{2+3}M_{2,3}=-13}
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