他の応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 06:50 UTC 版)
体(例えば、実数体、複素数体)の元を成分とする m × n行列に対して、0 でない小行列式の最大次数は行列の階数 r に等しい(つまり、0 でない r次小行列式が少なくとも1つ存在し、それより大きい次数の小行列式は全て 0 である)。 記号 [A]I,J は上の通りとする. I = J のとき、[A]I,J は主小行列式 (principal minor) と呼ばれる。 主小行列式に対応する行列がもとの行列の左上の正方形の部分である(すなわち行・列の番号がそれぞれ {1, …, k})とき、主小行列式は首座小行列式 (leading principal minor (of order k), corner (principal) minor (of order k)) と呼ばれる。n 次正方行列に対しては、n 個の首座小行列式が存在する。 行列の基本小行列式とは、0 でない小行列式で次数が最大のもののことである。 エルミート行列に対して、首座小行列式は正定値性の判定に使うことができ、主小行列式は半正定値性の判定に使うことができる。詳細はシルヴェスターの判定法(英語版)を参照。 コーシー・ビネの公式は、m × n行列と n × m 行列の積の行列式について成り立つ等式であるが、これを次の一般的な主張に拡張することができる: m × n行列 A,n × l 行列 B に対して、I を k個の元からなる {1, …, m} の部分集合とし、J を k 個の元からなる {1, …, l} の部分集合とする。このとき [ A B ] I , J = ∑ K [ A ] I , K [ B ] K , J {\displaystyle [AB]_{I,J}=\textstyle \sum \limits _{K}[A]_{I,K}[B]_{K,J}} が成り立つ。ただし、総和の添え字 K は k 個の元を持つ {1, …, n} の部分集合全体を走る。この公式はコーシー・ビネの公式の直截的拡張である.
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