他の思想との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 03:53 UTC 版)
「リバタリアニズム」の記事における「他の思想との違い」の解説
リバタリアニズムの立ち位置を示す際は、1971年にリバタリアン党を創設したデイヴィッド・ノーランによる、「ノーラン・チャート」という概念図が参照されることが多い。リバタリアニズムは経済的自由と社会的自由(個人的自由、政治的自由)を共に尊重する思想であり、社会主義などの左翼思想は個人的自由は高いが経済的自由は低く、保守主義などの右翼思想は経済的自由は高いが個人的自由は低く、ポピュリズム(ここでは権威主義や全体主義などを指す)では個人的自由も経済的自由も低い、という位置づけとなる。 リバタリアニズムと保守主義の違いについては、リバタリアニズムは移民やLGBTの権利も重視するのが、従来の保守主義と異なる部分となる。 リバタリアニズムとリベラリズムの違いを考える場合は、ヨーロッパとアメリカではそれらの言葉が意味するものが違うということを念頭に置く必要がある。現代のアメリカではリベラリズムは元来の「自由主義」を意味しておらず、「福祉国家思想」や「社会民主主義」を意味している側面が強い。つまり、ヨーロッパで言うところの社会民主主義的な思想や主張が、アメリカでは「リベラル」と表現される。アメリカ的な「リベラル」は、中立性よりも経済的な平等に関心が強く、リバタリアニズムとは相反する。 リバタリアニズムは、リベラリズムが支持する福祉国家の肥大化によって個人や企業の自由と権利が必要以上に制約されるリスクを批判しており、新自由主義(ネオリベラリズム)とともに「小さな政府」あるいは「制限された政府」を主張する。一方で、リバタリアニズムもリベラリズムも家族や地域共同体を崩壊させるようなアノミーやアパシーといった社会病理を産み出す傾向が揃って指摘され、それに対してコミュニタリアニズムが提唱されている。 フェミニズムの中でも特に個人主義を強調する思想は「リバタリアン・フェミニズム」と呼ばれ、「リベラル・フェミニズム」とは異なるものとして扱われる。著名なリバタリアン・フェミニストとしては、フェミニスト・セックス戦争で舌戦に参加したウェンディ・マッカロイ(英語版)、社会学者のカミール・パーリア、ジャーナリストのスザンヌ・ラフォレット(英語版)などがいる。
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