大虐殺派・虚構説・中間派とは? わかりやすく解説

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大虐殺派・虚構説・中間派

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 07:50 UTC 版)

南京事件論争史」の記事における「大虐殺派・虚構説・中間派」の解説

1982年洞富雄が『決定版 南京大虐殺』を刊行すると、洞は本多とともに大虐殺派」と見なされるようになった。洞・本多らは1984年3月南京事件調査研究会を発足し、「史実派」と自称した1984年7月中国南京市文史資料研究会が編集した被害証言集日本翻訳された(『証言南京大虐殺加々美光行 姫田光義共訳青木書店)。 1983年9月田中正明雑誌諸君!』で「"南京虐殺"・松井石根陣中日誌(未発表資料) 」発表1984年6月田中は『"南京虐殺"の虚構 : 松井大将の日記めぐって』(日本教文社)刊。同10月田中文芸春秋に「朝日新聞拒否された五通の反論」を掲載するなど、田中虚構説精力的に発表し否定派代表するようになっていき、また論争活発化した。 しかし、田中1985年5月刊行した松井石根大将陣中日誌』(芙蓉書房)を、板倉由明陣中日誌原本比較した結果600箇所上の変更ないし改竄行い南京事件虚構説方向での注釈付記していたことを発見した板倉大虐殺には懐疑的な立場であったが「改竄明らかに意図的なものであり弁解の余地はない」として田中非難した本多勝一朝日新聞報道した1985年藤原彰が『南京大虐殺』(岩波ブックレット)刊。藤原弟子吉田裕も『天皇軍隊南京事件』(青木書店)刊。吉田虐殺定義についても、便衣兵理について、戦争当時国際法学者立作太郎ゲリラ変装した軍人戦時重罪であるが、軍事裁判所審問すべきであるとしており、戦時国際法違反であり、「不法殺害」を「虐殺」とするので、「虐殺」は疑問余地がない論じた板倉由明は、戦争ではどこの軍も悪いこともしたし、日本軍悪いことをしたが、「日本人軍隊だけが世界希な残虐な軍隊であった日本人吹聴して回る必要はない」と吉田の本を書評した。吉田歴史対す痛覚欠いた傲慢な議論であり、高度成長経た日本の「大国主義ナショナリズム」だと反論した洞富雄1986年南京大虐殺の証明』(朝日新聞社)で田中正明板倉由明、畝本正巳、渡部昇一山本七平畠中秀夫阿羅健一の「南京大虐殺虚構説」を批判したこの年、「中間派」と自称する秦郁彦 が『南京事件』(中公新書)を刊行しそれまで論争ありかた危惧抱いていると述べこのままでは歴史的真実究明はどこかに押しやられ、偏見立場論が先走った泥仕合になってしまうおそれがあるとし、「南京事件東京裁判いらい、日中関係変転背景に、歴史学対象としてよりも政治的イシューとして扱われてる不幸な運命担ってきた」と主張した2年前に板倉由明本多勝一から松井大日記改ざん指摘されていた田中正明は、1987年3月刊行した南京事件総括虐殺否定論拠』(謙光社)後書きで、不注意による誤植脱落はあったが、松井の文は難解仮名遣い変更した弁明し意図的な改竄や、虐殺事件隠蔽はしていないとしたうえで、朝日新聞虐殺派は「ありもせぬ2030の“大虐殺”がさもあったかのごとく宣伝し著述」することこそが歴史改ざんだと反論し南京市文史資料研究会編の『証言南京大虐殺』の被害者証言もでたらめがあるとして批判した。また田中は洞、藤原彰吉田裕らは中国共産党プロパガンダ通り主張であり、また秦郁彦「東京裁判史観」展開しており、4人は反面教師でその偏見歪曲徹底的に批判し反論することができたと述べた洞富雄藤原彰本多勝一らは1987年8月1988年12月1992年4月事件の研究報告した大虐殺派、虚構派、中間派の各派については「南京事件論争#各派の主な論者とその特徴」を参照

※この「大虐殺派・虚構説・中間派」の解説は、「南京事件論争史」の解説の一部です。
「大虐殺派・虚構説・中間派」を含む「南京事件論争史」の記事については、「南京事件論争史」の概要を参照ください。

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