虚構説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 18:04 UTC 版)
「九頭竜川ダム汚職事件」の記事における「虚構説」の解説
1990年代に事件の追跡取材を行った共同通信社社会部の魚住昭らは、この「事件」は「入札やり直しをもくろむ田中彰治や間組が描いた幻」であり、田中らが主張したような「事件」は存在しなかった、と主張している。 九頭竜ダムの入札では、目途額(見積価格)は44億9000万円、ロワーリミット(最低制限価格)の割引率は8.5%、したがってロワーリミットは44億9000万円×91.5%=41億835万円となった。田中らは、電源開発(電発)が目途額を不当に水増ししたためにロワーリミットがつり上げられ、そのことを事前に知っていた鹿島建設だけがロワーリミットを上回る価格で入札し落札した、と主張していた。ところが実際には、失格した間組、落札した鹿島の双方とも、独自に算出した見積は電発の目途額と同程度であり、水増しは確認できなかった。一方で、田中は以前から間組、藤井崇治・前電発総裁の両者と癒着関係にあり、藤井総裁在任中に談合で間組が九頭竜ダムの工事を落札するように画策していた。そのため、入札のやり直しを求める間組と、総裁復帰を画策する藤井、電発に対する通産省の影響を排除したい田中の三者が共謀して入札に対する疑惑を主張しようとしたが、藤井が途中で態度を豹変させたため、田中がその代わりに、以前に藤井を取材していた倉地武雄を引っ張り出したのだという。 実際には、入札手続き自体は公正だったが、ロワーリミットの割引率に関する情報を鹿島側が買収工作によって事前につかんでいた形跡があり、そのことが鹿島による落札につながったのではないか、という。
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