大白森の山男とは? わかりやすく解説

大白森の山男(サンカ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 15:01 UTC 版)

大白森」の記事における「大白森の山男(サンカ)」の解説

千葉治平4代前の先祖に、堀川小太郎常義という人がいた。秋田藩山廻り番をして、国境巡回した南部藩禁制名馬移入し天保の飢饉壊滅状態になった秋田藩馬産復活させた。堀川不思議な山男サンカ)の記録残している。 1864年元治元年田沢村御野馬牧場の長九郎という百姓が、小白タケノコ取り行って行方不明になった。長九郎鶴の湯湯守六蔵じいさん同行しタケノコ取りに出かけた。大白森小白に近い鶴の湯タケノコ取り基地となっていた。長九郎藪の中で「ホーイ」と大声出してタケノコ取っていたが、六蔵はそれを捨て置いた。昼近くになって六蔵約束湿地の畔に降りてみたものの、長九郎は姿を見せなかった。六蔵胸騒ぎがするので元ので長九郎探したものの見つからない一人湯小屋降りてタケノコ汁を温めて九郎待った。長九郎はとうとうその日は戻らないので、翌日六蔵は3里の山道駆けてに急を告げた御野馬牧場支配人堀川小太郎六蔵を「もし南部藩抜ければ役人によって処刑されてしまうぞ」と叱った。長九郎家族絶望のあまり唯おろおろしているだけで、若い長九郎の妻は泣き崩れていた。マタギ中心とした捜索隊放たれ捜索何日続いたがついに長九郎は見つからなかった。翌1865年慶応元年)の春、堀川秋田藩密命を受け、地理に詳しいマタギ木こりを山に放って国境警備状況偵察したその結果喜左衛門というマタギ大白森南部大白森囲まれ河内の沢で偶然、白骨死体発見した着物ボロボロになってちぎれ、捨て置くことはできず彼は骸骨担いで帰った。 翌1866年早春喜左衛門マタギ乳頭山秋田駒ヶ岳中間にある笊(1541m)へカモシカ狩りでかけた。それは樹氷見られる季節であった喜左衛門鞍部近くにたどり着くと、山頂にいる異形人影見つけた喜左衛門大声出して脅すと、異形の者驚いて一瞬顔を向けた。それは死んだはずの銅屋九郎だった。長九郎見破られたと思ったのか、飛ぶよう鞍部走り南部側の雪渓滑り落ちるようにしてモロビの中に姿を消した喜左衛門の話は、村人震撼させた。長九郎亡霊だとか、南部山役の手下になり国境偵察しているのではないかという説を唱えた。長九郎の妻は、山神様に祈り捧げ肝煎のちからにすがって山狩り続けるように願い出た六蔵食料持って捜索をしようと鶴の湯行った。そこに喜左衛門黒湯で人の足跡発見した飛び込んで来た。南部領から秘かに黒湯湯治来ている者がいるという。黒湯には湯守がいなかった。喜左衛門六蔵一緒に黒湯に登った。8日目夕暮れ六蔵が外の湯壺を覗くと、岩陰けだもののようにうずくまっている者がいる。2人連れだって湯壺に行くと、髭面人相変わっているが、長九郎のように見える。2人喜び驚きの中、湯小屋に長九郎連れて行った。しかし、長九郎はなぜかぐったりとして炉端崩れうなじを垂れてしまう。「南部村役人もいない。もう安心して良いぞ」と言っても「俺は死んだ思ってくれ。俺を見たと言わないでくれ」と返す。訳を聞くと、一部始終語り始めた2年前、長九郎六蔵はぐれたあと、小白大白森越え南部領迷い込んだ疲労昏睡状態陥った後、気づく杣小屋のようなところに横たわり毛皮着た髭面目が光る男と、若い女が彼を介抱していた。二人とは言葉通じず、小屋にはまれに山の人間達立ち寄って去って行く。二人献身的に九郎介抱し、長九郎次第に健康を快復していった。若い女年頃で、長九郎は妻があることは秘めて、娘と恋に落ちていった。彼らは定住の地を持たず熊野飛騨信濃などの山地漂泊しているらしい。冬になると南の地方移動する彼らは、長九郎為に、一冬をその地方過ごし、彼を介護し若い女は長九郎の子を身ごもっていた。次の年、南の国移動することを躊躇する九郎だが、ある秋の日山男の父が山役人に撃たれ血まみれになってしまう。傷ついた山男の父を介抱し、長九郎は父を黒湯湯の華を採って来たり薬草集めたりした。南の地に行く季節三月それまでに長九郎黒湯往復して湯の華集め、そのために喜左衛門六蔵目撃された。彼は語りながら涙をボロボロこぼした喜左衛門六蔵呆然として聞いていると、長九郎は突然身を起こし「長九郎死んだものと伝えてくれ!俺は南に行く。嶺の上落ちたら、長九郎のことを思い出してくれ」と言って湯小屋から飛び出した。「待ってくれ、長九郎」と叫んで追いかけても、長九郎の姿はブナ中に見えなくなって行った

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