大戦景気による混乱と車両航送導入決定とは? わかりやすく解説

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大戦景気による混乱と車両航送導入決定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/26 22:57 UTC 版)

比羅夫丸」の記事における「大戦景気による混乱と車両航送導入決定」の解説

1914年大正3年7月勃発第一次世界大戦は、その後大戦景気と、世界的な船腹不足による海運貨物鉄道への転移もたらし鉄道連絡船航路であった青函航路貨物輸送量も、1916年大正5年)度からは一層激し増加示し、翌1917年大正6年)度には361259トンと、3年間で2.3倍にも達し同年以降滞貨の山を築く混乱状態に陥ってしまった。 一方順調に伸びていた旅客輸送人員は、1913年大正2年)からの不況のため、1914年大正3年)度は前年割れ288964となったものの、第一次世界大戦勃発後の大戦景気により、1916年大正5年)度からは著し増加転じ1917年大正6年)度からは移民ならびに出稼ぎ労働者全員青函連絡船利用となったこともあり494827名へと急増した1916年大正5年3月には、会下山丸と万成源丸解傭し、生玉丸(856.02総トン)を傭船し、4月には泰辰丸(695.81総トン)を2週間傭船し、更に関釜航路傭船中で、より収容能力大きく戦時には病院船として使う日本赤十字社の弘済丸(2,589.86総トン)を会下山丸の後継として青函航路へ転傭し、会下山丸同様、比羅夫丸田村丸休航時の旅客便 1便・2便・3便・4便への充当と、通常は甲便・乙便として主に貨物便として使用し同年6月には蛟龍丸(701.91総トン)を傭船した。 1917年大正6年2月には貨物便の丙便・丁便を設定して最大4往復とし、同年3月には生玉丸を解傭し、同年4月には万成源丸再度傭船して、基本5隻体制維持し、6隻目の船として、12月には3週間第八大運丸(588.87総トン)を、12月から翌1918年大正7年1月にかけての1ヵ月関釜航路傭船していた第三共栄丸(687.00総トン)を転傭し、更に1918年大正7年2月から4月まで、本来は冬期休航逓信省航路標識視察羅州丸(2,340総トン)が関釜航路傭船されていたのを、1ヵ月余り貨物便に助勤させ、同年4月から5月にかけ甲辰丸(709.22総トン)を50余り6月から10月まで第十小野丸(685.23総トン)を3ヵ月余り傭船し、貨物輸送力不足補ったが、折から船腹不足による傭船困難と傭船高騰の中、貨物発送制限停止措置も取らざるを得なかった。1917年大正6年8月からは甲便・乙便の貨物船 万成源丸87名、蛟龍丸63名の定員をとり3等旅客乗船させ、急激な旅客増加対応したこのような中、同年10月には、弘済丸が事故休航したため関釜連絡船対馬丸初代)(1,679総トン)を16日間助勤させている。更に1918年大正7年7月には5便・6便を設定し7月から9月までは旅客便として、漁民移民輸送期には客貨便として、その他の季節貨物便として運航し定期旅客便2往復(1便・2便(4時30分)3便・4便(5時間))、客貨便1往復(5便(6時15分)・6便(6時10分))、貨物便1往復(甲便・乙便(9時間))、臨時貨物便1往復(丙便・丁便(9時間))の5往復体制とした。これら5往復中、比羅夫丸田村丸運航する旅客便高速貨物積載量相対的に少ないため荷時間短く、2船2往復できたが、その他傭船便は低速貨物積載量多く長時間荷役日中に行う必要上、運航夜行のみ1船片道となり、速力の異る、追い越しを伴う厳し深夜運航が行われていた。 このように急増する客貨を前に積替え回数多く天候にも左右される一般型船舶沖繋りによるハシケ荷役では、円滑な貨物輸送は到底望めないばかりか長時間荷役による運航効率悪さと、旅客定員絶対的な不足もあり、旅客輸送にも支障きたしていた。この打開策として、鉄道院1919年大正8年)、比羅夫丸型の約2倍の大きさ客船船内軌道敷設し貨物積載状態の貨車積み込んで運ぶ「車両航送」の導入決定した。しかし、この、“2階特進”の決定は、車載客船建造のほか、貨車積卸しできる専用岸壁建設と、本州北海道間の鉄道車両連結器統一を行う必要があり、すぐ実現できる計画ではなかった。

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「大戦景気による混乱と車両航送導入決定」を含む「比羅夫丸」の記事については、「比羅夫丸」の概要を参照ください。

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