国ごとの提供状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 16:13 UTC 版)
衛星を使ったサービスを提供するには、国際電気通信連合(ITU)の規定や長年の国際条約により、各国の当局から許可を得る必要がある。その結果、スターリンクのネットワークは緯度約60度以下でほぼ全世界をカバーしているにもかかわらず、農村部や十分なサービスが行き届いていない地域へのブロードバンドサービスが約12カ国でしか提供できていない。また、スペースXはサービスを展開するための手続きを行う必要があり、その状況によって提供される地域、順序、期間が左右される。例えば、スペースXは2020年6月にカナダのみで正式に許可を申請し、2020年11月に規制当局が認可したことで、その2ヶ月後の2021年1月にサービスを展開し始めた。 2021年9月時点、スターリンクは17カ国で提供されており、そのほか多くの国で規制当局に認可を申請している。 日本では、KDDIがスペースXと業務提携し、2022年に1,200箇所の基地局を介して地方の顧客向けにより高速な通信の提供を目指すことを発表した。 2022年ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、ウクライナでは通信インフラが攻撃される虞が強まった。開戦2日後の2月26日、ウクライナのデジタル転換相を兼務するフョードロフ副首相はツイッターでスターリンクの提供を要請。スペースX社CEOのイーロン・マスクは2022年2月27日7時33分(日本標準時)、ツイッターを通じて、スターリンクがウクライナで利用可能であると表明した。スターリンクは、ウクライナの部隊による無人航空機(ドローン)での偵察や攻撃、公的機関や市民による戦況などのSNSへの投稿に利用され、国土防衛戦や国際世論に対する情報・宣伝戦を支えている。ウクライナでの利用者増加により、スマートフォン用のスターリンク接続システムは同年3月に一時、世界で最も多くダウンロードされたモバイルアプリになった。 国ごとの提供状況地域国時期現状北アメリカ アメリカ (試験版)2020年8月(ベータ版)2020年11月 ベータ版 北アメリカ カナダ 2021年1月 ベータ版 ヨーロッパ イギリス 2021年1月 ベータ版 ヨーロッパ ドイツ 2021年3月 ベータ版 オセアニア ニュージーランド 2021年4月 ベータ版 オセアニア オーストラリア 2021年4月 ベータ版 ヨーロッパ フランス 2021年5月 ベータ版 ヨーロッパ オーストリア 2021年5月 ベータ版 ヨーロッパ オランダ 2021年5月 ベータ版 ヨーロッパ ベルギー 2021年5月 ベータ版 ヨーロッパ アイルランド (試験版)2021年4月 (ベータ版)2021年7月 ベータ版 ヨーロッパ デンマーク 2021年6月 ベータ版 南アメリカ チリ (試験版)2021年7月 (ベータ版)2021年9月 ベータ版 ヨーロッパ ポルトガル 2021年8月 ベータ版 ヨーロッパ スイス 2021年8月 ベータ版 ヨーロッパ ポーランド 2021年9月 ベータ版 ヨーロッパ イタリア 2021年9月 ベータ版 北アメリカ メキシコ 2021年10月(予定) 予定 アジア 日本 2022 年(予定) 予定 ヨーロッパ ウクライナ 2022年2月27日7時33分(日本時間) 2022年ロシアのウクライナ侵攻に際し、ツイッター上でウクライナ副首相のミハイロ・フョードロフ(Mykailo Fyodorov)からの呼びかけに対し、CEOであるイーロン・マスクが利用可能であると応答したもの。
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