四遊記・西洋記とは? わかりやすく解説

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四遊記・西洋記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 15:55 UTC 版)

西遊記の成立史」の記事における「四遊記・西洋記」の解説

『西遊記』評判となるとその影響から明・清代には『西遊記』模倣作品や、『西遊記』意識した別の神怪小説作品生れるうになる。それらのうち『東遊記』『南遊記』『北遊記』をオリジナル『西遊記』合わせて四遊記(しゆうき)と呼ぶことがある。 『東遊記』(全2巻56回。『八仙東遊記』、『上洞八仙伝』、『八仙出処東遊記伝』とも)は明の呉元泰の作。道教仙人なかでも有名な八仙李鉄拐漢鍾離呂洞賓藍采和韓湘子何仙姑張果老曹国舅)が東海に渡る時に龍王太子諍い起こし天界巻き込む戦闘発展するという神怪小説である。明代戯曲八仙過海』が元となっており、その段階では八仙メンバー固定化していなかったが、『東遊記』の流布以降上記八仙メンバー固まったという。 『北遊記』(全4巻24回。正式には『北方真武玄天上帝出身志伝』)は、『水滸伝』や『三国志演義』多く増補行ったことで知られる余象斗の編による玄天上帝物語である。隋の煬帝の頃、玉皇上帝玉帝)の三つの魂の一つ下界に降され、何度転生した後に、浄楽国太子として武当山太極拳発祥の地)で42年修行積み天上に昇って玉帝拝謁し玄天上帝封ぜられる。そして七星剣を手に、天界から下界転生していた36員の天将(趙公明関羽馬元帥・雷公など)を帰順させ、平和をもたらしたという筋である。物語隋の煬帝期としているのは、仏教の「劫」(kalpa、久遠時間)の概念道教転化された際につけられ天上宇宙年号(龍漢・延康・赤明・開皇)の「開皇」が史実の隋の年号混同されたものと思われる。 『南遊記』(全4巻18回。正式には『五顕霊官大帝華光天王伝』)も余象斗によるもので、馬華光主人公とし、その母を救出するまでに至る物語である。華光は霊官馬元帥と呼ばれ道教四大元帥一人三つ目風火二輪乗る元帥神は五代から宋にかけて、道教信仰され武神である。『南遊記』では華光釈迦如来弟子妙吉祥とし、如来怒り受けて下界に降された華光転生繰り返しながら騒ぎ起こし玉帝から討伐軍として派遣され哪吒にも勝利するその後鉄扇公主知り合って結婚し地獄大暴れした後、孫悟空とも戦い最終的に如来によって捕らえられ仏道帰依するという筋である。『南遊記』には孫悟空登場するが、『西遊記』出家したはずであるのに息子や娘がいることになっている四遊記同様に『西遊記』意識した題名をつけたものに、羅懋登の作になる『西洋記』全100回(正式には『三宝太監西洋記』)がある。永楽帝期に行われた宦官鄭和三宝太監)による南洋大航海史実元に作られた、海洋『西遊記』ともいえる神怪小説である。『西遊記』史実玄奘旅路無関係な妖怪多数出現するのと同様、史実鄭和航海とは関係のない異国術士多く立ちふさがる。ただし三蔵法師と同様、鄭和自身大し活躍しない史実鄭和回教徒であったが、『西洋記』では鄭和同行する天師道教教主)・金碧長老(実は燃灯仏)という道教と仏教聖人魔術解決する最終的に冥界まで到達し明に帰国して皇帝賞されるという筋となっている。『西洋記』の序文万暦26年1598年)に記されているため、世徳堂本とほぼ同時期の成立である。第21回『西遊記』内容紹介した部分があり、三蔵連れている弟子斉天大聖・灙来僧(沙悟浄のことか)・八戒としており、弟子順番および八戒姓など、旧本西遊記に近い系統テキスト参照した形跡見られる

※この「四遊記・西洋記」の解説は、「西遊記の成立史」の解説の一部です。
「四遊記・西洋記」を含む「西遊記の成立史」の記事については、「西遊記の成立史」の概要を参照ください。

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