大航海
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 09:10 UTC 版)
詳細は「en:Friendly Floatees」を参照 1992年1月29日、香港からタコマに向かう途中のコンテナ船が悪天候に巻き込まれ、中国製の約30,000個のラバー・ダックなどを積んだ海上コンテナが太平洋上に落下した。破損したコンテナ外へ漂流し始めたラバー・ダック達はそのまま潮流に乗って南下、3分の2がインドネシアやオーストラリア、さらに南米沿岸に漂着したが、残りの3分の1が南米から北米の大陸沿いに太平洋を北上。1年後にはアラスカに到達していることが確認され、さらに西へと進んだものが3年後には日本に漂着して太平洋をほぼ一周するに至った。そのうちの一部はベーリング海峡を抜けて北極海に入り、その氷に閉じ込められたまま移動したと見られ、8年後の2000年に大西洋域に達したラバー・ダック達が氷から離れて漂流を再開、2003年には北米大陸の北大西洋域で確認されるようになった。2007年、英タイムズ紙がこれを伝え、ラバー・ダックはイギリス・アイルランド沿岸に向かっていると報じた。 この大航海は海流学者、気象学者の注目を集め、世界の潮流の動きやそれが気象に及ぼす影響の研究に大いなる貢献をすると期待されている。海を漂流したラバー・ダック達は現在では日焼け(紫外線)と海水(塩素)により白く退色しているものの、コレクターの間では高価で取引され、また米国の調査会社によって海岸で拾った場合の報奨金も出されている。
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