反証可能性に関してとは? わかりやすく解説

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反証可能性に関して

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 04:44 UTC 版)

科学的方法」の記事における「反証可能性に関して」の解説

疑似科学対す批判活動科学と非科学線引き問題)において、「科学的」であることの要件一つとして、「ポパー反証可能性原則」がよく引き合い出される。[要出典] SFAAでは、本質的に立証反証行えないよう対象は、原則論としては科学対象とはみなされないとされている。 しかし、総じて言えば反証可能性現実には、「ポパー反証可能性原則」は、言われているほど現実研究者には、受け入れられておらず、むしろ軽視されているとも言う。 ラリー・ラウダンらは「(反証可能性は)普通は科学的みなされないような理論でも、満たすこともあり、これまで成功してきた多く科学実例は、反証可能性逸脱している」と指摘した[要出典] 。ここで、「反証可能性逸脱する」とは、「基本法則成否判定が、少なくとも現実には不可能で、補助仮説補った実験手続き不備などを仮定するなどの“逃げ”(小規模な修正)によって理論変わっていくこと」を指す。 また、三体問題は、運動方程式支配法則である」という問題は、古典力学問題で、二体問題大学入試レベルであることと対照的に、(解が存在するものの)解析解原理的に発見しえないことが数学的に分かっているうえ、解の不安定性存在する可能性もあり、軌道予測したければなんらかの近似せざるを得ないことになる。従って、なんらかの反証”らしき実験結果出たとしても、不安定平衡点存在によるのか、「近似粗さ問題」なのか、「そもそも三体上の問題には運動方程式適用できない」のか「基礎方程式間違い」なのか、「近似のまずさ」なのか、「実験問題」なのかは、極めて難し問題となる[要出典]。 さらに、現実科学は、現実科学研究進展においては仮説あいまいなころからはじまり徐々に明確になっていく傾向があり、論文を書く場合には簡単に反証されないよう細心の注意を払う傾向があると指摘される通常の科学者は、ある理論に対していくつかの反証となる例が発見され場合にも、理論自体全否定するという考え方はしない通常は、アドホックな仮説積極的に投入することにより、予測精度高めてより広範に受け容れられるように何らかの変更加えることが一般的である。場合によっては、欠点認識しながら、そのまま未修正の学説使い続けることもある。 具体的な科学事例においては相対性理論有用性は、古典力学反証によって立証されたが、相対性理論構築は、ニュートン力学破棄否定する形をとらず、むしろニュートン力学がより一般的な概念の中で適用範囲限定され一つ近似であるにすぎないことを示す形で行われたとSFAAでは説明された。さらにニュートン力学基づいた計算は、現在でも無修正科学技術最先端使われることが多々ある。この意味でも「ニュートン力学相対論によって否定された」とまで言い切るのは早計であり、現在の科学者標準的な考え方とは大きく異なる。 さらに疑似科学科学線引きに関しても、実際に論点となるのは、個々データ有意性論理的整合性等である。 現在の研究最前線において、反証可能性原則が、実際にきわめて軽視されている現状に対して危機感つのらせる人もいる。例えリース・モーリン博士は、現在の最前線における物理学理論が、「どのような実験結果でも取り込めるほどパラメータが多い」ことを指摘したうえで、反証可能性軽視している傾向を、「物理学迷走」と断じている。実際モーリン博士指摘するように、最近素粒子物理量子情報物性理論等は極めて数学に近い様相呈しているため反証可能性原則逸脱していることはしばし指摘されるまた、特に、萌芽的な理論においては実験がどんな結果出してもそれを取り込めてしまうほどパラメータ多く、しかもそのパラメータ物理的な意味不明確であることもしばしば指摘される。現在でも、このことを理由として権威ある雑誌への掲載拒まれことがあるとされる。但し、この傾向最近では現実的な方向に、つまり反証可能性偏重しない方向シフトしつつある。 しかし、実はポパーは、仮説アドホック修正について全面的に禁止してなく、その修正により反証可能性度合い増やす場合対し受容可能としている。 決定不全説明繰り返し使われる事例として、海王星の発見がある。天王星発見されたとき、その軌道ニュートン力学予測とずれていることが観察された。そのとき天文学者たちはニュートン力学放棄するという路線ではなく未知惑星があって天王星影響しているという仮説をたてる路線選び、これが海王星の発見つながった。 この問題はしばし反証主義難点として指摘される。しかし、その条件付き修正可能な場合、その仮説修正は、その条件を満たすので認められる

※この「反証可能性に関して」の解説は、「科学的方法」の解説の一部です。
「反証可能性に関して」を含む「科学的方法」の記事については、「科学的方法」の概要を参照ください。

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