反証主義に対する批判と、批判への回答
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/07 16:00 UTC 版)
「反証主義」の記事における「反証主義に対する批判と、批判への回答」の解説
「『反証可能性を持つ理論のみが科学的理論である』という基本テーゼには反証可能性がないので反証主義は破綻している」という批判この批判をふまえ、ポパーは、合理主義の採用それ自体は不合理であることを一応認めざるを得ず、反証主義は「態度決定」である、という「批判的合理主義」の思想に変えてゆかざるを得なかった。 (注)つまり、反証主義を用いる者は、これが他の様々な主義同様に、あまたある「態度決定」のひとつであり、対象の性質や状況やタイミングによっては、他にもっと適切な主義があるかも知れない、ということは常に念頭におく必要がある(TPOの熟慮の問題)。 「反証主義は科学の現場の実体と合致しない」という批判反証主義は、科学的な知識と非科学的な知識の境界線を設定しようとする試みであり、科学者の行動に関する指導原理や倫理規定ではない。また、反証主義は「科学の現場では何が行われているのか?」という問題に対する解答を与えるものではない。 「反証主義は内心の自由や信仰の自由を制限しようとしている」このような見解は、時として、反証主義を唱える側にも見られる。 本来なら、反証主義は仮説の科学性および信頼性を判定するだけであり、非科学的仮説や信頼性に乏しい仮説を糾弾・排除する機能を持たない。本来なら、反証主義は相手方が信じている仮説の信頼性を問題にするのであり、相手方が何を信じるべきかを問題にするのではない。信頼性が高い仮説よりも低い仮説をあえて信じることは不合理であるかもしれないが、しかし、それは反証主義の批判対象ではないはずである。
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