公判から死刑執行までとは? わかりやすく解説

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公判から死刑執行まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 09:01 UTC 版)

大久保清」の記事における「公判から死刑執行まで」の解説

大久保刑事裁判で、強姦致傷罪強姦罪殺人罪死体遺棄罪問われた。初公判1971年10月25日前橋地方裁判所開かれた初公判行われた罪状認否対し被告人大久保は「なにもいうことはありません」と返答し起訴事実全面的に認めたため、公判焦点犯行動機解明絞り込まれた。 大久保は「裁判でも自供変えない」と断言したため、東京医科歯科大学教授中田修によって精神鑑定が行われた。鑑定結果では「精神病ではないが発揚性、自己顕示性、無情性を主徴とする異常性格精神病質)で、性的色情的亢進を伴う」と判定された。 その一方被告人大久保第2・3回公判で、事件無関係な親族との争い権力批判展開した上、公判終盤になると「俺はどうせ死刑だ」と弁護人私選弁護人)を解任したり、「裁判官の忌避申立」などの行為繰り返した上、1973年1月8日論告求刑公判直前には裁判官3人を職権乱用罪で告訴するなどしており、『中日新聞』(中日新聞社)は1973年2月22日夕刊記事にて大久保のそれらの行動を「弁護人解任専ら延命策。裁判官への忌避申立告訴思想犯並み反権力闘争」と表現した。そのため判決公判時点では国選弁護人として、町田弁護士大久保弁護人担当していた。町田は、大久保から被害者・遺族への謝罪言葉引き出そうとし続けたが、大久保彼に対し最後まで非協力的なままで、結果的に犯罪史上に類を見なかったこの凶悪事件は、動機が未解明のまま閉幕することとなった1973年昭和48年2月22日判決公判開かれ前橋地裁刑事部水野正男裁判長)は検察前橋地方検察庁)側の求刑通り被告人大久保清死刑判決言い渡した水野裁判長10時開廷直後冒頭死刑判決主文言い渡し、続く判決理由で以下のように被告人大久保犯行断罪した。 他人生命犠牲にして省みないところに著しい反人間性認められる上、被告人は自らの欲望赴くまま若い女性生命次々奪った本件を「権力対す反抗」と表現するなど「自己の非を隠し、自らを美化しようとする虚飾満ちた態度」を取って改悛の情を全く示していない。 現行の刑罰制度死刑がある以上、これをもって被告人に臨むほかはない。 大久保1973年3月7日当時収監先・前刑務所知人面会したが「控訴する気持ちはない」と語り東京高等裁判所への控訴申立ができる最終期限となる翌日1973年3月8日夕方までに手続きを取らなかった。結果大久保控訴期限1973年3月9日午前0時までに東京高裁控訴しなかったために第一審死刑判決そのまま確定した死刑囚となった大久保は、裁判官弁護士らを告訴していたが、それらの事件いずれも不起訴起訴猶予処分となり、大久保身柄前橋刑務所に置き続ける必要がなくなったため、死刑確定後1973年4月3日付で身柄東京拘置所移送された。同年10月大久保獄中から『訣別の章 死刑囚大久保清獄中手記』(KKロングセラーズ編集大島三郎)を刊行したが、その中では「自分は『自己失いただ性欲野獣となった』ように見られているが、そのことどうでもよい。私が犯された罪がいかに重大か知る人はいない」という意味の被害者意識示していたほか、出版後KKロングセラーズ相手取り東京地方裁判所宛てに「題名は本来『訣別の詩』だったのに著者である自分無断で『訣別の章』と変えられた。これは著作権侵害だ」などと訴状郵送するなどしていた。 法務省法務大臣稻葉修)が発した死刑執行命令により、死刑囚大久保清1976年昭和51年1月22日に、収監先の東京拘置所死刑執行された(41歳没)。死刑確定から2年10か月後の執行当時一般死刑囚比較して速いスピード執行だった。

※この「公判から死刑執行まで」の解説は、「大久保清」の解説の一部です。
「公判から死刑執行まで」を含む「大久保清」の記事については、「大久保清」の概要を参照ください。

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