入学の時期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 04:06 UTC 版)
入学は、日本では一般に桜が咲く4月、春の行事と考えられているが、欧米諸国や中華人民共和国では、入学は9月、秋の行事であり(同様に、南半球の国も現地で秋に当たる2~3月頃の入学が多い)、また2学期制が一般的である(前期と後期に分かれていて冬休みと夏休みが長めに取られていて春休みはない)。欧米の大学は、夏冬学期制で、春からでも秋からでも始められるのだが、初めの入学は9月というのが一般的である。暖かい時期に試験などが行なわれるため、体調を崩して困るようなことが少ないといわれる。 本来、明治から大正初期の日本では、大学は9月入学であった。実際、明治後期に夏目漱石が著した小説『三四郎』では、主人公が夏に九州から上京したことや、9月における帝国大学の授業の開始など、明治における9月入学の光景が描かれている。 現在、4月入学となった経緯は次のとおりである。 1886年(明治19年)4月から酒造税に「4月-3月制」が導入され、1889年(明治22年)の会計法制定により「4月-3月制」が法制化されると、市制及び町村制の施行に合わせて、同年4月より市町村でも実施され、翌年5月より道府県(後に都も)でも実施されることになった。 また、1887年(明治20年)3月9日徴兵事務条例が改正され、徴兵対象者(満20歳の男子)の届出日がそれまでの9月から4月に変更され、4月が士官学校等軍関係学校の新学期になった。 これにともない、学校運営資金を政府から調達するためには、国の会計年度の始まりに合わせないと不便ということから、1886年(明治19年)高等師範学校が4月入学となった。 その後、1888年(明治21年)に文部省の指示で全国の師範学校や小・中学校でも4月入学が広がった。1920年(大正9年)7月7日、東京帝国大学が次年度の始期を9月から4月に変更することを決定すると他の高等学校も追随し、翌1921年(大正10年)4月からは全ての学校が4月入学になり現在に至っている。 各国・地域の入学時期時期国1月 シンガポール、マレーシア、フィジー、バングラデシュ、南アフリカ 2月 オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル 3月 韓国、北朝鮮、アルゼンチン、ペルー、チリ 4月 日本、インド、パキスタン 5月 タイ 6月 フィリピン、ミャンマー 7月 インドネシア、アメリカ合衆国 8月 ドイツ、スイス、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、台湾 9月 イギリス、フランス、イタリア、スペイン、ロシア、カナダ、中国、ベトナム 10月 セネガル、カンボジア
※この「入学の時期」の解説は、「入学」の解説の一部です。
「入学の時期」を含む「入学」の記事については、「入学」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から入学の時期を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書から入学の時期を検索
- 入学の時期のページへのリンク