作物残渣の野焼き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 03:07 UTC 版)
穀類や豆類、サトウキビの残茎・藁稈・殻・葉などの作物残渣(英語版)の野焼きは世界各地で多くは規制のもとで行われている。原因として、伝統的に雑草・病害虫を防ぐために必要であるとみなされてきたこと、経済的理由により野焼きを行う以外に処分する選択肢を持てない農民が多いことが挙げられる。世界銀行によれば、上位の国として中国、インド、米国、ブラジル、インドネシア、ロシアが挙げられるほか、アフリカ、メキシコ、タンザニアなどで割合が高く、この数十年の間に世界の多くの国々で増加した。
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作物残渣の野焼き
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稲藁や籾殻、果樹の剪定枝といった作物残渣は、従来は堆肥化や畜産資材、藁細工など手工業製品の材料として資源利用されてきた。しかし現代になり、農家の担い手減少や牛馬の減少、農業機械化、化学肥料の普及などによりその利用途が減少し、その一部が焼却されるようになった。特に稲作における野焼きは、昭和40 - 50年代の自脱型コンバインなどによる機械収穫の普及にともない増加し、一時は稲作付面積の25%で野焼きが行われ、その煙害は「稲わらスモッグ」と呼ばれ社会問題化した。 野焼きは大気汚染、悪臭などの公害、洗濯物の汚れなど近隣トラブル、火災など事故の原因となる。また地域における農産・観光のイメージ低下や、焼却により有機物の土壌への還元量が減少し、地力・収量低下につながることが示されるなど、営農面においても問題となる。こうしたことから、農協や行政機関における土づくり運動が興り、地力増進法、持続農業法、GAP(適正農業規範)などの政策において、作物残渣は焼却せずに堆肥や飼料として利用することが奨励されるようになっている。 日本国内での作物残渣の焼却量は、都道府県が把握するデータからの算出では、稲(藁・籾殻)で1990年には1,019.5キロトン、2016年には295.4キロトン、麦類の焼却割合は2007年度には13.5%、2016年度には7.7%である。2012年の第181回国会での内閣答弁書によれば、2010年度産の稲由来の焼却された稲藁の重量割合は、各都道府県からの集計で1.8%である。地域の取り組みによっても違いがあり、例えば米の最多産地(2018年時点)である新潟県では、1993年には独自の指導要綱を制定するなど作物残渣の適正処理を積極的に推進し、稲藁の焼却割合(対作付面積)は、1995年度には6.9%(9,451ヘクタール)、2017年度には0.0%(36ヘクタール)となっている。青森県では2010年に稲藁の適正処理を推進する条例を制定し、作付面積の1%まで野焼きが減少したが、一部地域では根強く残る。
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