以降への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 01:48 UTC 版)
マクロスの成功により、「マクロスシリーズ」の作品以外でもビックウエストによる「超時空シリーズ」(『超時空世紀オーガス』『超時空騎団サザンクロス』)、『機甲創世記モスピーダ』、『メガゾーン23』などの類似コンセプトを持つ作品が登場した。特にアートランドが制作し、マクロスのスタッフが参加した『メガゾーン23』はOVAジャンル初の大ヒット作であり、「メカと美少女」という現在に続く潮流の先駈けとなった歴史的な作品である。また、本作の「恋愛」「和平」「古代文明の遺産」等のテーマに強い影響を受けて、後に『機動戦艦ナデシコ』のようなオマージュ的リアルロボットアニメも多数生まれている。 本作や『うる星やつら』の人気により、20歳代前半の若手クリエーターの台頭が顕在化し、個性溢れる人材が注目されることになる。『重戦機エルガイム』で注目された永野護は、マクロスの大ヒットにより「若手に任せたほうがいいという空気があった」ため、自分がサンライズ初の社員デザイナーに起用された、と述べている。結城信輝は本作の27話「愛は流れる」を観たことが、アニメ業界に転身するきっかけとなっている。 ガイナックスの前身となるダイコンフィルムは自主制作アニメ『DAICON3 オープニングアニメ』の出来をスタジオぬえに買われ、山賀博之と庵野秀明が「技術研修」の名目で上京し、アートランドでマクロスの制作に参加した。その後制作した『DAICON4 オープニングアニメ』には、宮武一貴や板野一郎、平野俊弘、垣野内成美らが原画協力として参加している。作中にはパロディとして、両腕に宇宙戦艦ヤマトとアルカディア号を付けた通称スーパーマクロス超強攻型や、頭部レーザー砲がビームサーベルになるバルキリーが登場する。 本作における主要メカのひとつである「バルキリー」は、実在する機体であるF14トムキャットに酷似した戦闘機がロボットへ一瞬にして変形するアイデアが革新的であり、後のロボットアニメに強い影響を与えた。マクロス放映開始から4か月後にスタートした『聖戦士ダンバイン』では、途中から主人公メカとなった「ビルバイン」が戦闘機型に変形可能であり、二年後に製作された『機動戦士Ζガンダム』でも、Ζガンダムが戦闘機形態に変形可能な他、同じような可変メカが多数登場する。そういったことから「ガンダム」と並ぶ「リアルロボットアニメの2大金字塔」として、「バルキリー」はリアルロボット群に変形ブームを巻き起こした革命機と言える。また、一部のライターは、バルキリーでの戦闘シーンに触発されて、実写映画『トップガン』が制作されたという説を唱えている。 本作以前にも「さすらいの太陽」や実在する歌手が登場する『ピンクレディー物語 栄光の天使たち』など歌手を主人公とする作品は存在するが架空のアイドルにタイアップする形で新人歌手がデビューするというパターンは、メディアミックスの手法として『魔法の天使クリィミーマミ』における太田貴子、『メガゾーン23』における宮里久美、『アイドル伝説えり子』における田村英里子などでも見られた。本作の続編にあたる『マクロスF』ではヒロインの一人ランカ・リー役に公募により選ばれた中島愛が、『マクロスΔ』ではヒロインの一人フレイア・ヴィオン役に公募により選ばれた鈴木みのりが同様にデビューを果たしている。 その他、制作スタッフの若手の一部が使用していた「御宅」という二人称呼称を本作の登場人物に使用させたことで、この呼び方はアニメファンたちの間に広まって使われるようになり、これが後のおたくという言葉(の用法)が広まる一因になったという説もある。ただし、「オタクという言葉を使い始めた」と指摘されている河森正治は、『アニメージュ 2001年6月号』にて「僕らより少し上の世代が使っていた言葉」とコメントしている。
※この「以降への影響」の解説は、「超時空要塞マクロス」の解説の一部です。
「以降への影響」を含む「超時空要塞マクロス」の記事については、「超時空要塞マクロス」の概要を参照ください。
- 以降への影響のページへのリンク