中国型社会主義の時代と法とは? わかりやすく解説

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中国型社会主義の時代と法(1949年から1978年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 10:30 UTC 版)

中国法制史」の記事における「中国型社会主義の時代と法(1949年から1978年)」の解説

共和国政府は、中国本土全域における実効支配確立した後、1954年ソビエト連邦などの共産圏先行例参照して最初の「中華人民共和国憲法」(54年憲法)を制定するなど、ソビエト連邦法(大陸法圏に属する)を手本とした法制度整備進めた1954年9月20日第1期全国人民代表大会第1次会議において「中華人民共和国憲法」(54年憲法)が採択され即日公布された。ソ連1936年憲法いわゆるスターリン憲法)を範にとるが、前提となる中国社会自体がまだ社会主義段階到達していないので、社会主義への過渡期という歴史段階対応する社会主義型の憲法として成立した同時に社会主義建設という目標中共指導的地位明示し、「共同綱領」の時期まで維持されてきた人民民主統一戦線体制事実上終止符をうち、新たに中共による一党独裁制成立させた。すなわち、54年憲法は、「共同綱領」と同じく中華人民共和国を「労働者階級指導し労農同盟基礎とする人民民主主義国家」と規定しつつ、「共同綱領」にある「新民主主義」は削除した。なぜなら、それはもはや「民主的階級中略)を結集した人民民主主義独裁ではなく社会主義実現目指し階級廃絶するための「人民民主主義独裁」でなければならなかった。したがって共同綱領」が「労働者農民・小ブルジョアジーおよび民族ブルジョアジー経済的利益とその私有財産制保護し新民主主義人民経済発展させ」るとしていたのに対し、同54年憲法は「社会主義的工業化社会主義的改造通じて搾取制度漸次消滅社会主義社会建設保障する」と規定して社会主義化方向明確に打ち出した。ただし、この社会主義への過渡期においては、「資本主義的工業に対して利用・制限改造政策をとり」として、一定期間内の買戻し実施しその間は「資本家生産手段所有権およびその他の資本所有権保護する」と規定した。したがって所有制としては、全人所有制の国営経済国民経済指導力であり、「国家国営経済優先的発展保障する」としていた。建国当初は、上述解放区実践されていた法制度引き継ぐ三大立法婚姻法土地改革法、労働組合法)に代表される立法が行われた。全体的に社会主義法ソ連法の影響強く受けた立法司法及び法学志向された。しかし、その後急進的な社会主義改造反右派闘争大躍進等の政治運動翻弄され結果三大立法54年憲法制定除いて目立った成果上げられなかった。この時期経済調整期といわれ、1950年代中期以降急進的な社会主義運動のリバウンド期でもあり、民法刑法刑事訴訟法等の起草作業活発に行われたもののいずれも成果に結び付かなかった。1957年6月反右派闘争に始まる文化革命期には、「プロレタリアート独裁」の理念から導かれた「中共国家対す優位」が強調され法秩序よりも中共政策優先された。「政策は法の塊である」、「無法無天」、「造反有理革命無罪」等のスローガン代表される徹底したニヒリズム(法を軽視する傾向)が蔓延した。「大衆独裁」の名のもとに如何なる司法手続も踏むことなく人身の自由侵害されたり、裁判所検察院、警察廃止されて「軍事管制委員会」に統合されたりする等、司法制度全体著しく破壊された。大学封鎖され法学教育法学研究10年間の空白時期迎えた。そして54年憲法実態に合わなくなっていた。まず、54年憲法では、社会主義建設目指す過渡期国家として自らを位置付けていたが、1956年所有制の社会主義的改造完了して社会主義移行したことにより、この位置付け実態に合わなくなっていた。また1960年中ソ対立決定的となりソ連モデル憲法空文化がもたらされた。しかし、文化大革命期不安定な政治環境法的ニヒリズムが強まる中、憲法の改正は容易でなかった。ようやく、1975年1月17日第4期全国人民代表大会第1次会議において憲法改正実現された(75年憲法)。ただし、この75年憲法は全30条しか有せず、この簡易な体裁そのもの文革的法ニヒリズム体現していた。この75年憲法は、その成立直後に「文化革命」が終結してしまったため、短期間のうちに効力消滅する至った

※この「中国型社会主義の時代と法(1949年から1978年)」の解説は、「中国法制史」の解説の一部です。
「中国型社会主義の時代と法(1949年から1978年)」を含む「中国法制史」の記事については、「中国法制史」の概要を参照ください。

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