中国での共産党除名と投獄とは? わかりやすく解説

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中国での共産党除名と投獄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 01:05 UTC 版)

伊藤律」の記事における「中国での共産党除名と投獄」の解説

伊藤回想によると、北京機関では国際派への妥協唱える野坂西沢徳田の間に溝ができており、さらに中国共産党内部問題絡んで複雑な状況となっていた。1952年になると徳田病状悪化9月末からは入院し、やがて意識不明となった12月伊藤懸念していた通り野坂参三は「スターリン指令」という名目隔離審査対象とすることを伊藤告げ伊藤軟禁された。1953年10月徳田死去この間西沢野坂によって伊藤を「スパイ」として除名する決定なされた。この決定帰国した藤井冠次(元NHK報道部員・放送単一労組書記長自由日本放送従事)によって日本伝えられ9月15日付の「アカハタ」に伊藤処分に関する中央委員声明掲載された。伊藤その3ヶ月後に北京でこの「アカハタ」を見せられる伊藤その内容否認し決定拒絶したが、監獄身柄移された。 隔離審査以後野坂ら党の幹部伊藤に「スパイ」と認めれば復帰させる迫ったが、伊藤はこれに応じなかった。1955年7月日本共産党第6回全国協議会伊藤除名再確認し、9月15日の「アカハタ」に「伊藤律について」と題する中央委員会幹部会発表掲載した。ここでも伊藤スパイとして罪状列挙されたが、その内容2年前の中央委員声明とは大きく異なっていた。1953年声明では主に戦後の党指導列挙されゾルゲ事件などには全く触れていなかったのに対し、この発表ではゾルゲ事件内容中心となり、横浜事件にも関与したなど、大部分終戦前のものとなっていた。これについて、渡部富哉は「実際のところは日中両党の間を割いたということ理由になっていた」という関係者の証言踏まえ処分決めて後から口実をつけたと推論している。日本共産党幹部1955年袴田里見最後に伊藤面会に来なくなった1958年第7回党大会でも伊藤除名改め確認された。伊藤1959年野坂日本共産党代表団訪中した際に面会申し込んだが、拒否された。1955年以後消息不明となり、野坂らが死亡説流したこともあって定着した伊藤対す逮捕状1957年7月国外出たという事情がない限り公訴時効成立したとして、治安当局逮捕状切り替え請求しないことで伊藤対す捜査打ち切り1960年治安当局様々な情報収集から「伊藤律中共健在」と分析結果公表した1970年6月日本の公安調査庁は中国死亡したとの情報により、伊藤に関する情報収集打ち切った伊藤1960年秦城監獄移送され文化大革命中は軍隊占領下迫害受けたこの間伊藤は健康を悪化させ、右目と右耳がまったくきかなくなり腎不全罹患した伊藤投獄について、中国関係者は「伊藤隔離審査するという日本共産党依頼基づいておこなったもので、中国共産党関与していない」としており、伊藤そのような説明受けている。伊藤獄中にいる間、ずっと「三号」と呼ばれており、中国側から被疑者被告人として名前を呼ばれることも罪名告げられたり裁判かけられることもなかった。これに対して日本共産党側は、伊藤帰国直後野坂参三が「除名した伊藤身柄中国側引き渡しただけで投獄には関知していない」と主張野坂除名となったのち、北京機関存在した当時日本との窓口務めた趙安博が1998年回想で「野坂袴田から伊藤を殺すよう依頼された」と明らかにした際には機関誌前衛』において「除名後伊藤状況知っていたのは野坂袴田だけで、二人はそれを党に隠していた」という理由で「党は関知しなかった」としており、現在も関与認めていない。

※この「中国での共産党除名と投獄」の解説は、「伊藤律」の解説の一部です。
「中国での共産党除名と投獄」を含む「伊藤律」の記事については、「伊藤律」の概要を参照ください。

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