三朝温泉とは? わかりやすく解説

みささ‐おんせん〔‐ヲンセン〕【三朝温泉】

読み方:みささおんせん

鳥取県中部東伯郡三朝町にある温泉泉質塩化物泉放射能泉などで、ラジウム含有量の多いことで有名。


三朝温泉

作者上坂高生

収載図書賞の通知
出版社武蔵野書房
刊行年月2004.9


三朝温泉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/17 06:28 UTC 版)

座標: 北緯35度24分38.7秒 東経133度53分35.1秒 / 北緯35.410750度 東経133.893083度 / 35.410750; 133.893083

三朝温泉
河原風呂と三徳川
温泉情報
所在地 鳥取県東伯郡三朝町
交通 鉄道:JR山陰本線倉吉駅より、日ノ丸バスで20 - 25分
泉質 塩化物泉単純温泉放射能泉
宿泊施設数 22[1]
年間浴客数 289,719[2]
統計年 2023年
外部リンク 三朝温泉公式サイト
テンプレートを表示
三朝温泉の位置
三朝温泉の位置

三朝温泉(みささ おんせん)は、鳥取県東伯郡三朝町にある温泉日本百景

2017年現在、年間入湯客数は鳥取県内では皆生温泉に次ぐ2位[2]。とっとり梨の花温泉郷を構成する温泉のひとつ。

泉質

  • 含放射能/ナトリウム・塩化物泉
  • 含放射能/単純泉

三徳川によって南北に三朝群(三朝区)と山田群(山田区)の二つの温泉群に分けられる[3][4]。日本最大規模のラドン温泉地域で、泉温摂氏34度以上のラドン温泉は世界的にも希少な放射能泉である[4]

温泉療法を実施する医療機関があり、温泉は泉質に応じて温泉プール療法、飲泉療法、鉱泥療法など様々な治療に用いられている[5][6]以上により、高いホルミシス効果があるとされ、観光客だけでなく療養目的で訪れる湯治客も多い[7][8]

温泉街

三徳川の両岸に旅館が立ち並ぶ[4]。また、三朝大橋のたもとに河原風呂(川原の温泉:24時間(奇数日午前中は清掃)・無料)がある[9]石畳が敷かれた温泉本通りには、こぢんまりした旅館や飲食店、古美術店、スナック、土産物屋、射的場等が並んでおり、情緒ある温泉街が形成されている。三朝温泉最古の源泉とされる「株湯」は温泉街から少し離れた静かな住宅街の中にあり、地元住民の利用が多い[4]

本格的な療養温泉でもあり、温泉療法を実施する病院や研究施設がある。また温水床暖房を持った長期滞在者向けの旅館や自炊宿も見られ、観光と療養(湯治)の並立が三朝温泉の特徴である[4]。二十数軒ある旅館・ホテルの多くが、「現代湯治」に対応している。温泉街にある病院での診察と組み合わせたり、ソムリエをもじった入浴アドバイザー「ラヂムリエ」がいたりする旅館もある[10]

温泉施設

なお、三朝町営の国民宿舎としてブランナールみささが設置された[17]。旧名称は三朝温泉会館で、1963年(昭和38年)にオープンし、1995年(平成7年)にブランナールみささに改名した。国民宿舎ブランナールみささは、2023年(令和5年)に指定管理者ジーライオンのグループ会社に譲渡されることになった[18]

また、温泉街には公衆浴場「たまわりの湯」が設けられ、住民や観光客に利用されてきたが、施設の老朽化と従業員の高齢化により、2023年3月末で営業を終了することになった[19]。この共同浴場「たまわりの湯」の跡地についても、2024年(令和6年)5月に高級旅館の建設を計画するジーライオングループに売却する方針が発表された[20]

周辺施設

歴史

伝説によれば、平安時代末期の1164年(長寛2年)に源義朝の家臣、大久保左馬之祐(さまのすけ)によって発見されたという[3]。三朝温泉発祥の伝説として、白狼伝説があり、左馬之祐が三徳山三仏寺の参拝に赴いた際、老いた白いオオカミが現れ討ち取ろうとしたが、神仏の化身であることがわかると思いとどまり宿に帰った[24]。その夜、左馬之祐の夢枕に妙見大菩薩が現れて出湯の場所を道案内して消え、その教えられた場所に実際に行くと楠の老木の根元から湯が湧き出ていたという[4][24]。三朝温泉源泉の「株湯」の名はこの故事に由来する[24]

温泉名の由来は諸説あり、その一つが「三つ目の朝を迎えるころにはが消える」ことから三朝と呼ばれるようになったというものである[25]

出雲国風土記』にも温泉に関する記述がある。明治以降、与謝野鉄幹与謝野晶子野口雨情志賀直哉斎藤茂吉島崎藤村など多くの文人も訪れた。

1914年(大正3年)、三朝温泉の源泉の一つ(後の岡山大学分室泉)からラドンの存在が発見された[3]1939年(昭和14年)に岡山医科大学が療養所を設置し、1943年(昭和18年)に放射能泉研究所に改組された[3]。この研究所は1949年(昭和24年)の新制岡山大学の発足により同大学附置の研究所となった[3]

1947年(昭和22年)11月28日、昭和天皇が三朝温泉療養所に行幸(昭和天皇の戦後巡幸[26]。患者への慰問が行われた[27]

2014年(平成26年)、開湯850年を迎え、記念イベントを開催[28][29]

2015年(平成27年)、文化庁が三朝温泉と三徳山を「六根清浄と六感治癒の地」として日本遺産に認定[30]

三朝温泉に関する作品

ギャラリー

周辺

アクセス

脚注

  1. ^ a b 宿泊施設”. 三朝温泉公式サイト. 2024年10月4日閲覧。
  2. ^ a b 観光入込動態調査 温泉地入湯客数”. 鳥取県 輝く鳥取創造本部 観光交流局 観光戦略課 (2024年9月13日). 2024年10月4日閲覧。
  3. ^ a b c d e 森永寛「放射能温泉地の医学-補遺」 温泉科学38巻3号、2023年2月27日閲覧。
  4. ^ a b c d e f 堀内公子、箕輪はるか、吉澤幸夫「三朝温泉におけるラドン研究の 100 年」 温泉科学64巻、2023年2月27日閲覧。
  5. ^ 温泉療法 - 岡山大学病院三朝医療センター(2012年7月21日閲覧)
  6. ^ 当院の温泉について - 社団法人鳥取県中部医師会立三朝温泉病院(2012年7月21日閲覧)
  7. ^ 三朝温泉の効能と歴史 | 三朝温泉ポータルサイト│宿泊施設&観光情報満載【三朝温泉 公式サイト】”. misasaonsen.jp (2020年3月20日). 2024年10月4日閲覧。
  8. ^ ラドン熱気浴 | 健康づくりの湯治宿 ブランナールみささ」『健康づくりの湯治宿 ブランナールみささ』。2024年10月4日閲覧。
  9. ^ 三朝温泉河原風呂 公益社団法人 鳥取県観光連盟、2023年3月15日閲覧。
  10. ^ 三朝温泉の現代湯治三朝温泉公式サイト. 三朝温泉観光協会(2025年7月17日閲覧)
  11. ^ 三朝温泉 温泉施設”. 三朝温泉公式サイト. 三朝温泉観光協会/三朝温泉旅館協同組合. 2021年11月10日閲覧。
  12. ^ 三朝温泉”. 鳥取県観光案内 とっとり旅の生情報. 公益社団法人 鳥取県観光連盟. 2021年11月10日閲覧。
  13. ^ 木屋旅館 文化遺産オンライン”. bunka.nii.ac.jp. 2025年5月24日閲覧。
  14. ^ 木屋旅館 /とっとり文化財ナビ /とりネット /鳥取県公式ホームページ”. db.pref.tottori.jp. 2025年5月24日閲覧。
  15. ^ 旅館大橋本館 文化遺産オンライン”. bunka.nii.ac.jp. 2025年5月24日閲覧。
  16. ^ 依山楼岩崎庭園 /とっとり文化財ナビ /とりネット /鳥取県公式ホームページ”. db.pref.tottori.jp. 2025年5月24日閲覧。
  17. ^ 三朝町国民宿舎事業の設置等に関する条例
  18. ^ 三朝町「ブランナール」民間譲渡 指定管理者グループ会社に 日本海新聞、2023年2月27日閲覧。
  19. ^ ”癒やしの浴場”3月末閉館 三朝温泉・たまわりの湯 町が新施設計画も 日本海新聞、2023年3月15日閲覧。
  20. ^ たまわりの湯跡地 売却へ 神戸の企業に 地元おおむね了承 三朝町”. 日本海新聞. 2024年5月23日閲覧。
  21. ^ 三朝医療センター:岡大が今月末閉院 温泉病院が機能継承『毎日新聞』朝刊2015年12月25日(鳥取県版)2018年4月30日閲覧
  22. ^ 三朝橋 文化遺産オンライン”. bunka.nii.ac.jp. 2025年5月24日閲覧。
  23. ^ 三朝橋 /とっとり文化財ナビ /とりネット /鳥取県公式ホームページ”. db.pref.tottori.jp. 2025年5月24日閲覧。
  24. ^ a b c みちくさウォーキングマップ 三朝・温泉街 三朝町、2023年2月27日閲覧。
  25. ^ 【湯の心旅】三朝温泉(鳥取県)若旦那が変える湯治宿/医療と連携、森林セラピーも『日本経済新聞』朝刊2018年4月21日・別刷りNIKKEIプラス1(9面)
  26. ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、99頁。ISBN 978-4-10-320523-4 
  27. ^ 宮内庁『昭和天皇実録第十』東京書籍、2017年3月30日、548頁。 ISBN 978-4-487-74410-7 
  28. ^ 観光① | 三朝町 町勢要覧 2014”. www.town.misasa.tottori.jp. 2025年5月24日閲覧。
  29. ^ eguchi (2013年10月26日). “三朝温泉の旅館組合、開湯850年でイベント開催へ - 観光経済新聞”. 観光経済新聞 - 1950年創刊の観光業界専門メディア。本社テーマは「観光立国の実現は地方(地域)から」. 2025年5月24日閲覧。
  30. ^ a b 日本遺産 三徳山 三朝温泉「六根清浄と六感治癒の地」(2018年4月30日閲覧)

関連項目

外部リンク


三朝温泉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:10 UTC 版)

三朝町」の記事における「三朝温泉」の解説

平安時代の開湯と伝わる温泉三徳川両岸温泉施設が並ぶ。1916年大正5年)に内務省が三朝温泉のラドン含有量世界2位であると発表して人気に火がつき、それまで収容能力150人だった温泉街大きく発展した温泉熱を利用した農業行われている。詳細は三朝温泉参照。なお、2015年(平成27年4月24日文化庁日本遺産最初18件の一つとして六根清浄六感治癒の地 ~日本一危な国宝鑑賞世界屈指のラドン泉~」を選んだ発表した

※この「三朝温泉」の解説は、「三朝町」の解説の一部です。
「三朝温泉」を含む「三朝町」の記事については、「三朝町」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「三朝温泉」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



三朝温泉と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「三朝温泉」の関連用語

三朝温泉のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



三朝温泉のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの三朝温泉 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの三朝町 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS