一二一空とは? わかりやすく解説

一二一空

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 09:41 UTC 版)

千早猛彦」の記事における「一二一空」の解説

1943年10月1日第一二一海軍航空隊編成され千早偵察飛行隊長として着任アメリカ海軍艦隊との決戦主力を担う基地航空部隊として再建始まった第一航空艦隊部隊であり、養成のために大本営直轄され、千早らは訓練従事した1944年昭和19年2月アメリカ海軍マーシャル諸島攻略戦により占領したメジュロ環礁南太平洋における大規模補給基地として利用し始めアメリカ機動部隊ハワイまで戻ることなく補給修理行えるようになっていた。メジュロ環礁内にどのような艦艇出入りしていたり停泊しているか判れば、アメリカ側次の作戦おおよそ内容規模推察できた。「あ」号作戦が3週間後に控えていた情勢下、海軍敵機部隊動静を探るべく、メジュロ環礁への長距離強行偵察計画された。当初二式艦上偵察機使用される予定だったが、まだ制式採用前ながら4月より生産開始されたばかり高速最新鋭機である艦上偵察機彩雲」が配備されて、この任務当てることとなった。 しかし、トラック島から最短ルート飛んで1500浬(約2700km)の彼方にあるメジュロ環礁への往復飛行は、彩雲最大航続距離超えていた。どこか中継地点燃料補給する必要があり、立ち寄り先として選ばれたのが、トラック島から1000浬(約1800km)、メジュロ環礁から530浬(約1000km)に位置し不完全ながら飛行場設営されているナウル島であったその頃ナウル島はまだ日本側の支配下にあったとはいえ周り制海権制空権は敵の手渡りつつあり、補給途絶えがちであった長距離を敵の制空圏内かそれに近い空域を飛ばねばならないこの極めて困難な作戦成功期するため、千早大尉任務課せられた。千早121空偵察飛行隊長であったが、他に適任者がおらず飛行隊長であるにも関わらず操縦行い偵察員と電信員の3名で彩雲乗り込んだ5月29日朝、テニアン出発し途中トラック経由し同日午後にナウル到着ナウル守備隊員たちのために彩雲機内には、タバコなどの嗜好品積めるだけ積み込んでいた。翌30日朝、ナウルからメジュロ環礁向かった環礁内にはアメリカ艦隊がおり、すぐに写真撮影行いトラックへの帰途就いたが、すぐにグラマンF6F ヘルキャット追撃してきた。彩雲これから1500先のトラック島まで飛ばなければならなかったので、燃料残量考えればただスロットル全開飛行すれば良いという状況ではなかったが、千早F6F振り切り、無事トラック島帰還した際は燃料ギリギリであった前日からの総飛行距離5000km以上で、かつ敵機がいつどこから現れもおかしくない過酷な長距離飛行であったが、千早正確な洋上航法があっての成功であった現像した写真から、正規空母5隻、補助空母2隻、戦艦3隻、巡洋艦3隻、駆逐艦10隻、輸送船2隻、タンカー16隻が停泊中であるのが判明した6月8日千早は再びメジュロ環礁への偵察飛行を行う。翌9日メジュロ到着したが、敵艦隊はいなかった。この敵艦隊の出撃捉えた千早報告により、『あ号作戦決戦準備』が発令されマリアナ沖海戦生起した。戦後当時連合艦隊参謀長だった草鹿龍之介中将は、「千早機の挺身偵察による功績」と評している。兄の千早正隆は、「開戦以来これほど敵艦隊の動静的確にとらえたことは無かった」と評している。 偵察日程については、5月30日早朝トラック出発し巡航速度で約5時間後にナウル着、6月5日に同じルートメジュロ偵察行ったとする主張もある。 テニアン帰還した千早は、6月11日空襲合間をぬって敵機部隊偵察出撃し、未帰還となった。「機動部隊単機で向かうんじゃ」と笑いながら出撃した。戦死による二階級特進で、海軍大佐に任ぜられた。日本海軍では最年少大佐であった同期二階級特進者は7人いるが、千早が一番早かった

※この「一二一空」の解説は、「千早猛彦」の解説の一部です。
「一二一空」を含む「千早猛彦」の記事については、「千早猛彦」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「一二一空」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「一二一空」の関連用語

一二一空のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



一二一空のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの千早猛彦 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS