ワイヤー・ロープとは? わかりやすく解説

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ワイヤ‐ロープ【wire rope】

読み方:わいやろーぷ

硬鋼線をより合わせて作ったロープ。ふつう数本をよった小綱をのまわりに6本配してより合わせる鋼索鋼条


ワイヤーロープ wire rope

炭素鋼線を数十本より合わせて子縄(ストランド)とし、その子縄をさらに心縄(心鋼を使わないものもある)のまわり数本より合わせて作ったロープ用途により多種多様である。

ワイヤーロープ

鋼線をより合わせてつくったロープで、樹木石材などの重量物を吊り上げるときに使われる。  油を浸み込ませた麻のロープを心鋼()にして、7~61本の鋼線(素線)をより合わせた子縄(ストランド)を、さらに6本、あるいは8本より合わせて1本のロープしたもの強度大きく柔軟性に富む。  造園工事には、もっぱら玉掛け用のワイヤーロープが使われることが多い。玉掛け用は末端に輪をつくってストランドほぐれないように処理してある。この輪を「蛇口」という。蛇口つくり方には、クリップ使って留める方法や、編み込む方法特殊な金属使った圧縮留めという方法がある。

ワイヤーロープ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/10 05:35 UTC 版)

スチール製ワイヤーロープ(Z撚り、かつラング撚り)

ワイヤーロープ(Wire rope)とは、素線となる金属束をストランド(子綱)となるワイヤでねじりよりあわせてつくられる金属製ロープ

概要

ワイヤロープの素線は、一般に針金と呼ばれる軟鋼線と、ばね鋼のピアノ線の中間くらいの硬さのものが使われる。撚りの主な構成パターンは、素線を一段から多段に同心円状に片方より合わせた螺旋状(スパイラル)型、ストランドをさらに心綱周りに一層から数層より合わせるものストランデッド型などがあり、ストランデッドからさらにより合わせ、より大きな直径のワイヤーロープとなるケーブルレイドロープと呼ばれるパターンもあり、レイドロープの複数のストランドで構成させている。

歴史

現代のワイヤーロープは、ドイツニーダーザクセン州クラウスタールハルツ山地での採掘に使用するために、1831年から1834年に鉱山技師ヴィルヘルム・アルベルトによって発明された [1] [2]。以前から使用されていたや、麻など天然繊維で作られたロープよりも優れていることが証明されたため、直ちに普及した[3]

建設

風力タービンタワー内部。テンドンで保持されたワイヤーロープの張力でタワーの強度を保っている

撚りロープ

大規模な吊橋では平行線ケーブルが使用されるが、小規模な橋や支線式鉄塔など支持荷重が比較的小さいものでは撚線ワイヤーロープも多く使用される。

終端(エンド)処理

ワイヤーロープを切断した端部はほつれ止めや、先端がワイヤーブラシのように物を傷受けないよう処理する必要がある。吊り下げフック等と連結できるようループ状にすることが多く、環の内側には摩耗防止にシンブル(指ぬきの意)という金具がつくこともある。

アイスプライスまたはフランダースアイ

ループの基部の撚りを緩めて隙間を作り、先端をほどいたストランドを差し込んで引き締め、一体化させたもの。張力が加わるとより強い抜止力が働く自緊作用もあるが、元々は繊維ロープで用いられてきた方法で、堅い鋼線のワイヤーロープでは可能な太さに限度があり、特に素線が太いものには使えない。

ワイヤーロープクリップ

クリップで留められた伐採設備のワイヤーロープ

ボルト締めのクランプ金具で固縛するもの。現場合わせが容易だが耐久性はやや劣る。

スエージターミネーション(かしめ)

シンブルとフェルールのループ終端処理されたワイヤーロープ

スリーブやフェルールと呼ばれる、主にひょうたん型断面形の筒状金具にワイヤーを通し、電線に用いる圧着端子と似た要領で締め潰して固定するもの。生産性が高く固定力も強いが、太く大荷重のロープではスリーブも頑強で、かしめ加工に相応の機器が必要になり、現場施工よりも工場生産寄りの手法である。

脚注

  1. ^ Koetsier,Teun; Ceccarelli, Marc (2012). Explorations in the History of Machines and Mechanisms. Springer Publishing. p. 388. ISBN 9789400741324. オリジナルの31 March 2017時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170331154144/https://books.google.com/books?id=-x9NHOLSnNUC&pg=PA388&dq=wilhelm+albert+inventor+wire+rope&hl=en&sa=X&ei=faREU_W6JcSjtAaFpYHwBQ&ved=0CGcQ6AEwBQ#v=onepage&q=wilhelm%20albert%20inventor%20wire%20rope&f=false 9 April 2014閲覧。 
  2. ^ Donald Sayenga. “Modern History of Wire Rope”. History of the Atlantic Cable & Submarine Telegraphy (atlantic-cable.com). 3 February 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。9 April 2014閲覧。
  3. ^ Modern History of Wire Rope - Donald Sayenga Archived 2010-10-27 at the Wayback Machine.

関連項目

  • ロープ
  • 張力構造
  • ワイヤーモール英語版(パイプクリーナー) ‐ ワイヤー状にした毛が柔らかいブラシ。
  • グリップル英語版 ‐ 留め具。ループを作る時にも使用される。

外部リンク


ワイヤーロープ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 02:48 UTC 版)

エレベーター」の記事における「ワイヤーロープ」の解説

ワイヤーロープはトラクションエレベーターなどで用いられる巻上索である。材質炭素鋼用いられ建築基準法によって安全率10以上確保することが義務付けられている。ロープ構造は、まずストランド呼ばれる細い鋼線をより合わせたものがあり、さらにそのストランドを8本ほどより合わせてできている。柔軟性を保つために、ロープ中心部にはマニラアササイザルアサなどの硬質繊維入っている。太さ直径10 mm12 mm16 mmなどがあり、か積載量に応じて使用する本数増えたり、より太いものが使われるトラクション式ではロープ両端にかごとカウンターウェイト吊るされていて、それらの連結部にはソケット呼ばれる器具バビットメタル注入するという末端処理施されていて、連結強度確保している。 高層ビルエレベーターでは使用するワイヤー質量多くそのままの状態では最上下階近辺ではかご側とカウンターウェイト側の重量がワイヤーロープの自重によってアンバランスになり、巻上機シーブから滑り落ちてしまう恐れがある。そのアンバランス解消するために、かご底部カウンターウェイト底部との間には、コンペンセーティングロープあるいはコンペンセーティンチェーンと呼ばれる重量バランス調整用のワイヤーロープやチェーン渡されている。 映画等登場するエレベーターワイヤー切れて高速落下するシーンには誤りが多い。エレベーターのかごを吊り下げるワイヤー強度定員の約10倍の重さに耐えられる強度有することが義務づけられており、ワイヤー使用本数3本以上いるため、その全て切断すること自体極めてまれである。万一切断してかごが落下転じても、調速機ロープ同時に切断されない限りは、定格速度1.4倍で非常止め装置作動して急停止する。つまり、映画『マトリックス』ワンシーンのように爆破されたり、主ロープ調速機ロープ同時に破断されない限り落下事故起き得ない。 なお、2011年7月26日には東京メトロ有楽町線副都心線平和台駅エレベーターワイヤー3本全て切れて数m落下する事故があり、乗っていた50歳代女性が尻や肘に2週間打撲傷を負うという事故が発生している。1945年7月28日エンパイア・ステート・ビルディング航空機激突したことによってエレベーターのかごが300メートル以上落下する事故起こったことがあるが、乗っていた従業員生存していた。 以前は「非常止め装置調速機ロープ切断されるなどして作動しなくても、エレベーターエレベーターシャフト周壁との間隙小さいことにより、かごにかかる空気抵抗大きいため、ある程度減速効果有すると言われていた[要出典]が、東芝エレベーターテスト塔での落下事故で、減速効果ほとんどない証明された。このような効果を得るには、シャフト内の空気量不変なければならない

※この「ワイヤーロープ」の解説は、「エレベーター」の解説の一部です。
「ワイヤーロープ」を含む「エレベーター」の記事については、「エレベーター」の概要を参照ください。

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